概要
あのとき、あのハッシュタグをクリックしていなかったとしたら?
大学院に入り三年目となる「ぼく」は、年明けに提出する修士論文を、ほとんど書き上げたところだった。しかし、卒業の見通しが立っているにもかかわらず、「ぼくは生と死の狭間にいるのだ」という切迫感にとらわれていた。卒業をすることができたとしても、卒業後のことは、まだ全くの未定だったからだ。
世界的な疫病の大流行の中、オンライン授業が続き、人との繋がりが希薄になり、大学へ行く機会も減った。それは「ぼく」にとって、生きるうえでの「見本」の喪失を意味した。しかし現状を打開するための策を打ち出すのは、自分の意志と力によるしかないという強迫観念も生まれていた。
大学時代に知り合った友人との記憶、大学院を休学していたときのこと、創作に打ちこんでいたころの想い――思考は、見えない未来ではなく、確かにあった過去へと
世界的な疫病の大流行の中、オンライン授業が続き、人との繋がりが希薄になり、大学へ行く機会も減った。それは「ぼく」にとって、生きるうえでの「見本」の喪失を意味した。しかし現状を打開するための策を打ち出すのは、自分の意志と力によるしかないという強迫観念も生まれていた。
大学時代に知り合った友人との記憶、大学院を休学していたときのこと、創作に打ちこんでいたころの想い――思考は、見えない未来ではなく、確かにあった過去へと
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