第3話
現れたのは、3頭の『フォレスト・ウルフ』だった。
飢えで肋骨が浮き出た彼らは、私が放った「魔力の香り」に抗えず、廃鉱山へと足を踏み入れた。
一頭目のウルフが、最初の曲がり角を勢いよく曲がる。
その瞬間、足元に設置された粘着性トラップが起動した。足をとられ、バランスを崩す。
背後にいた二頭目、三頭目が衝突し、狭いクランク内で団子状態になる。
(今だ。実行せよ)
天井に潜んでいたスライムたちが、音もなく落下する。
私の書き込んだマクロ通り、スライムはウルフの鼻と口を重点的に覆い隠した。
ウルフたちは悲鳴を上げることすら許されず、酸で粘膜を焼かれながら、窒息と痛みの恐怖の中で絶命した。
【ログ:フォレスト・ウルフ3体を処理。25DPを獲得】
【ボーナス:完全勝利。素材の鮮度が『最高』です】
死体は床から染み出す触手状の魔力によって、コアへと運ばれる。
ここで『捕食調理』が本領を発揮する。
「ただのDP変換は損だ。生物学者として、彼らの『強靭な腱』と『鋭い嗅覚』の情報を抽出。エンジニアとして、その情報をスライムの構成コードに上書きする」
死体は見る間に分解され、骨の一片すら残らずコアに吸収された。
ウルフの生命エネルギーは、純粋なDPだけでなく、私の「経験値」としても蓄積されていく。
【スキル『嗅覚強化:小』を獲得。スライムに『跳躍能力』を付与可能になりました】
「ふむ。この世界の生命は、情報の塊だ。食べれば食べるほど、私は賢く、強くなれる」
私は得られたDPで、さらなる罠の拡張を開始した。
次の客は、おそらく獣ではない。
行方不明になったウルフを追うか、あるいはこの異変を嗅ぎつけた「知性体」が来る。
それこそが、私の進化を加速させる最高級の食材だ。
ダンジョンコアに転生してしまった男:佐藤 @KENTO0725
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