二話 タイーホ、そして脱獄?

 えー、俺は現在パトカーの中にいます。大変居心地が悪いです。


 後部座席の真ん中に俺は座っており、左右にはそれぞれ警察官が座っている。運転手の警察官も合わせると三人の警察官が俺の元に来たようだ。


 誰も一言も喋らないが、そりゃあそうだろう。


 俺が学校の爆破予告をした容疑者として連行されているからだ。容疑者も何も本人だからなんとも言えないが。犯罪者と話す口なんか持ち合わせてねえよと言わんばかりに無視を決め込んでくる。


「これってどこに向かってるんだ?」


 意外にも落ち着いていた俺はアホみたいな質問をしてしまう。賢者タイムさながらに余裕な表情で質問してくる俺に、左隣の警察官は懐疑的な目を向けてくるも答えてくれた。


「留置所に決まってんだろ」


 顔面兵器のような、目線で人を殺せそうな顔をした警察官が言った。

 俺に逮捕を告げた強面の人だ。

 顔面通りの口調に思わずニヤけてしまう。この人をこれから顔面兵器と呼ぼう。


 顔面兵器はニヤついてる俺をきみが悪そうに見つめてくるが、すぐに正面に向き直した。


 そうして俺は逮捕された。



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 

 留置所で拘束された俺はすぐに取り調べを受けた。真っ白な壁で作られたそこそこ大きい部屋に机と椅子が置かれてあり、外の部屋から見れるように一部の壁がガラス張りとなっている。


 俺と顔面兵器は机を挟んで向き合う形で椅子に座り、互いに見つめ合う。

 ギロリとした目で俺を見つめてくる顔面兵器が口を開けた。


「こちとら全てわかってんだ。だが一応聞いておこう。お前が爆破予告をしたんだろう?」


「ああ、そうだ」


「言い逃れはできな······え? 今なんて?」


「だからそうだって。やったの俺」


 ポカンとした顔で俺を凝視する顔面兵器。間抜けヅラをしてるからせっかくの顔面兵器が台無しだ。ガラス越しに部屋の外にいる警察官を見てみると、そちらもアホみたいな顔を晒していた。


 ナチュラルに難聴系主人公みたいなことをしてくる顔面兵器は困惑が混じった表情で立ち上がり、「じゃ、じゃあ取り調べは終わりだ」などと言って部屋を出ていく。


 俺はあの日、最高の芸術を見つけ、そして目に焼き付けた。これまで俺は芸術を完成させるピースを求めて四苦八苦して来たが、誕生日を迎えるとともに花火を爆発させたあの日。俺の芸術は完成したのだ。


 もはや悔いなど何もない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

芸術は爆発だとどうしても伝えたい〜爆発させる能力で色々爆発させてたらいつの間にか爆破魔神と呼ばれてたんだが〜 デステ @sousei1215

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ