第32話 正体を明かした後の日常

文化祭が終わって早1週間。時間がたつのは早いものだなぁ。

クラスもだいぶ落ち着いてきており、俺も前のような普段通りの生活が送れるようになった。嬉しい限りなのだが、唯一あるとすれば仕事が増えてきており、愛花と一緒に帰ったり遊んだりできていない。何か引っかかる。胸の奥がざわざわ...とうかモヤモヤするような気がする。そんなことを考えながら帰っていると、


「はぁ…」

「おい栄太浮かない顔してどうした?」

「ああ、雅か」

「いつもより元気がない気がするけど?」

「まぁ…そうかもな」

「何かあったのか?」


正直、雅に相談して何か得られるかはわからないから相談するべきか否か…。

ここは雅達はもうこのモヤモヤを通り過ぎていると信じて!聞いてみよう!


「実はこの前なんだが、愛花に久しぶりに一緒に帰らないかと誘ったら断られたんだ」

「単純に断る...とかではなさそうだな、お前というか明大好きマンだし」

「ああ、それに加えて何か胸の奥がモヤモヤするような嫌な予感がするんだよな」

「もしかして浮気でもしてバレたのかー?」

「んなわけねぇだろ!こちとら真剣なんだけど!?」


意外とコイツ、ガチで言ってきてる感じがいして腹立つな…。

だけど相談事に対しては親身になって聞いてくれるのか…。なんかすっげぇ変だな!


「すまんすまん、だけど何か気になるな、何か心当たりはないのか?」

「怒ってるわけではなさそうなんだよな、会話はしてくれるし」

「なら余計にわからないな」

「そうなんだよなぁ...あっ!」

「何か心当たりでもあったのか?」

「いや、最近ありがたいことに仕事が増えてきているんだよ、それで何か浮気してるとか思われてるんじゃないかなって」

「なるほどな、俳優であるお前だからこそ起きることってとこか」

「ああ、1回様子見しつつ、少し探ってみることにするよ、久々にありがとな雅!」

「うんうん...ってちょっと待て!久々にとはなんだ!久々にとは!」




――次の日。




俺はその日から少しづつ未海たちにも協力してもらいつつ、探り始めた。

本当に別のことで悩んでるかもしれないからな。

最終手段は未海に直接聞いてもらうだが、これは情報が得られなかったとき限定の方法だ。


調べる方法1

愛花とではなく未海と雅、その他数人の女子と昼を一緒に食べる。


ちょうど女子たちに俺のことが知りたい的なことを言われていたので、一緒に昼食を食べてみることに。

すると、愛花は一瞬俺の方を見た後に悲しい顔も一緒にその一瞬でしていた。

やっぱり帰りの時に思った「俺が浮気してると思ってる説」か、俺が考えた結果出たもう一つの可能性、「俺が未海以外の他の女子と喋っているのを見て嫉妬している説」か?まだわからないな、もう少し調べて...いや探ってみようか。

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