ふみちゃん

第1話 女系家庭

 うちは典型的な女系家庭である。


 木村家(父方)と加藤家(母方)の結婚なのだが僕の話に父方の親類はほぼほぼ出てこない。


 幼少期から母方の親類が僕の周辺で常に現れていて、僕ら兄弟に影響を与えていた。


■木村家の構成

 木村勝(父)教員

 木村久恵(母)

 木村れい(次男)、兄、姉


■母方(加藤家)の構成は以下 

 加藤久松(早めに他界)教員

 加藤秀子(私の祖母) 

 長女・久恵(私の母)→木村久恵

 次女・ふみちゃん・教員★

 三女・ちいちゃん・教員

 長男・豊おじさん


 母方は、こんな構成。女が三人もいる。私の幼少期からこの兄弟達は、自分達の子を引き連れ家族ぐるみで、木村家にしょっちゅう出入りしていた。


 祖母の秀子は、夫を早めに亡くしていた。秀子は、絶対王政のわがまま君主みたいな性格だったし、長女で私の母も、三女のちえも、夫を尻に敷くタイプ。そしてうちは教員ばかりの家族でフェミニズム気質だ。だから僕は、明らかに女性優位と言えるような環境で育ったのでは無かろうか。

 

 その中でも今から30年前、若くして亡くなった(当時50代半ば)次女ふみちゃんについて、僕の思い出を書いてみたい。


 遠い遠い記憶を手繰り寄せて。

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追悼小説 あの日 木村れい @kimurarei0913

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