第126話 外酷城攻略戦2
部屋には三方に出口があった。前方には奥へと続く出口。右には上へ登る階段。左には下への階段。
「一つが当たりで二つは外れか」
「下り階段が当たりってことはないだろ」
とはアキラ。普通はそう考えるのか?
「いや、この城のいやらしさからしたら、下ってから登るという可能性もある」
とは精鋭のお一人。そうなんだよな。もしこれが二択で、登りと下りしかなければ、オレは迷わす下りを選択している。あの真ん中の通路が厄介だよなあ。
それぞれの通路の際まで行って先を覗いてみるが、階段も通路も途中で曲がっていてその先がどうなってるのか分からなかった。
う~ん。分からずにオレは天を見上げる。
「え?」
オレが変な声を上げたために皆の視線が天井に移る。そこには扉が付いていた。
「あれか?」
「あれの気もするけど、あれじゃなかったらヤバそうだし。そもそもどうやって天井の……」
と言っている間にマーチが人形を飛ばして天井の扉を開けてしまう。
ドバババババババ!!
開いた瞬間に大量の水が扉から流れ落ちてきた。
「こっちだ!」
水から逃れようと皆が上階段を昇ろうとするのを制して、オレは元来た通路に引き返す。皆もオレに同調して通路に戻ってきた。全員が戻ってきたところでオレは扉を外す。それで水が流れ込んでくるのは止められた。
「ハァー、ヤバかったな」
「ごめん」
しょんぼり謝るマーチ。
「大丈夫だよ。それにこれでどの通路が正解か分かったからね」
30分ほど経っただろうか、ピチョン、ピチョン、と向こうの部屋から水垂れの音が聴こえてきた。
もう大丈夫だろうと扉を付け直し、中に入ると、まだ足元5センチぐらいは水に浸かっていた。
「で、どの道が正解なんだ?」
とはアキラ。下への道は水没しているし、あの状況で上へ行くのは逃げ道がなく愚策だと思えた。となると、
「正面の奥へ続く通路だな」
オレは率先して奥への通路へ足を踏み入れる。…………何も起きないようだ。振り返ると皆安堵している。
通路は途中で左に折れており、突き当たりにまた扉があった。
「何か、扉をみるたんびにドキドキするわね」
とはマヤ。同じ気持ちなのだろう、皆力強く頷いている。
扉の両脇にはなんとも不気味な彫像が置かれていた。大鬼の彫像だ。もう、何かありますと言っているようなものだ。
オレが扉に向かって銅貨を投げると、扉に当たった瞬間に、彫像の口から炎が発射され、銅貨がどろどろになってしまった。どんだけ温度が高いんだよ。あんなん食らったら消し炭だな。
「どうするの?」
「まあ、これは簡単だろ」
とオレは彫像の向きを内向きから外向きに変える。思った通り彫像は簡単に向きを変えた。
扉を開けると螺旋階段だった。真ん中に太い支柱がある螺旋階段の丁度中間地点らしく、上と下へ階段は延びている。
「どっちだ?」
とはアキラ。
「下だな」
「ホントかよ? 即決過ぎないか? リン」
「そういわれてもな。この城で素直に上に行くってのはかなりリスキーだぞ。それとも何か? この太い支柱が引き戸になっているとでも……」
ガラガラ……
なってたよ。うん。皆の白い目が痛い。
引き戸にはなっていたが、中は空洞になっている。下を覗けば何かがあるらしいことが分かり、上を覗けば出口が見える。なるほど。
「マーチ、もう一回さっきの部屋に行って天井から水を出してきてくれないか」
「分かった」
マーチは理由を尋ねることもなく、サッと先程の部屋へと駆けていった。
「どうするんだ?」
「見てれば分かるよ」
とドドドドド……という水の流れる音とともにマーチが戻ってくる。
「皆は邪魔にならないように少し階段登って待機!」
オレの言葉に促され、皆が少し階段を登ったところに、水がドバドバ流れ込んでくる。
「階段の上は行き止まりだった」
ブルースは一番上まで行って見てきてくれたようだ。
そうこうしているうちに、水がドンドン貯まっていき、下階段は水没。支柱の中にあったものが、水にプカプカ浮きながら姿を現した。エレベーターである。
「皆これに乗り込んで!」
オレに言われる通りに皆エレベーターに乗り込んで、上階へと向かった。
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