第125話 外酷城攻略戦1
一日休息を取り、オレたちは外酷城に挑むべく装備を固めた。
「外酷城がどういうところなのか、知ってること教えてもらっていいですか?」
ヤースープ公妃閣下に尋ねようと振り返ったら、そこに公妃閣下はおられなかった。うえっ!? どこ!? と皆で探すと、
「頼もー!」
とすでに外酷城の大きな両扉に手を掛けている。その瞬間、
ガッチャンッ。
何かが作動する音がして、扉上方からギロチンが落ちてきた。
「ぬわああ!!」
思わず横からタックルして公妃閣下を扉から引き離すオレ。間一髪で閣下の手が体から離れるのは阻止できた。
「大丈夫ですか!?」
「え、ええ」
オレは手を差し出して閣下を引き起こす。
「まあ、でもこれで外酷城がどういう場所なのかは理解できました」
からくり城だ。おそらく今みたいな仕掛けがそこかしこに仕掛けられているのだろう。さて、どうしたものか。メンバーを見回すと、アキラにマヤにマーチ、ファラーシャ嬢にヤースープ公妃閣下に精鋭たち。駄目だ。こういうからくりに強そうなのはブルースだけそうだ。
「ブルース」
「ああ」
言われて扉の前にくるブルース。
「後、マヤも」
「私? 何もできないわよ?」
何故呼ばれたのか理解できていないようだが、
「スピード落とすデバフが使えたろ?」
「ああ!」
納得して前に出て来てくれた。
ダメだった。扉は押そうが引こうが横にズラそうが、ギロチンが落ちてくる仕掛けらしい。しかもご丁寧に人一人分入れるか? という大きさしか開かないのだ。う~ん。
「私がデバフでギロチンの速度遅くしておくから、その隙に入っちゃえばよくない?」
「それはそうなんだけど……」
とそこに他に入り口はないか、と城の周りを一周してきたブルースが帰って来た。
「どうだった?」
「ざっと見た感じだと、他に入り口は見当たらないな」
そうなると、この入り口から入るしかないのか。う~ん、オレの勘が間違ってるって言ってるんだよなあ。
その後も何度か扉に触ってみても、違う仕掛けが作動することはない。ギロチンが上に下に行ったり来たり。まるで、
「そうか!」
オレはわざと扉に触ってギロチンを落とすと、そのギロチンの刃の裏に乗り、ロープを掴む。そしてギロチンはオレを乗せたまま上へと上がり始めた。
ガッチャンッ。
上に着いたところでオレは確信した。眼前にぽっかり人ひとり通れるぐらいの入り口が空いていたからだ。
オレはその入り口に足を掛けて、罠が無いのを確認すると、皆に合図を出して、上に上がってきてもらう。
「なんとも意地が悪い仕掛けね。下の入り口はブラフだったってこと?」
「さあ?」
マヤに肩をすくめて応える。
「さあ? って」
「オレがたまたまこの道を見つけたからそう思えるだけで、もしかしたら裏の裏で下の入り口の方が正解なのかも知れない」
「嫌過ぎるわね、それ」
などと話しているうちに全員揃ったので、オレが先頭になって先に進むことにする。
先は通路になっており、赤青黄黒白の五種類のタイルがランダムに敷き詰められている。
「これも何かありそうね」
「これは簡単だろ」
「そうなの?」
と首を傾げるマヤ。
「間違ったタイルを踏むと、罠が作動する方式なんだろう」
「でも何が正解かなんて初見じゃ分からないわ」
「それも分かる」
「分かるの!?」
そんなに驚くことでもない。タイルばかりに目が行くと、何がどれだか分からないが、壁や天井を見れば一目瞭然だ。通路の壁や天井にも色が付いていて、奥に向かって5メートル間隔で赤青黄黒白と変化していってる。という訳で、
「ブルース、見本を」
とオレが言うが早いか、ブルースはピョンピョンとタイルからタイルに跳び移り、あっという間に奥にある扉の前にたどり着いたのだった。最初の5メートルは赤、次の5メートルは青、そして黃、黒、白と跳び移るので間違いなかった。
「よし、到着」
扉の前までやって来たオレは背負っていたオーロ王女一旦降ろし、前方の扉に向き合う。扉の前にはすでに全員揃っている。
「左と上から槍が飛び出してくる」
とブルースが実演して見せてくれた。ブルースが取っ手を掴むと、確かに左と上から槍が飛び出してくる。串刺しなのは目に見えているな。
左と上から槍が飛び出してくるってことは、扉の左側には槍が格納されてるってことだよな。じゃ、右側は? と調べてみても、何もおかしいところはなく、ただの壁だった。なら床はどうだろう。と調べると、扉と同じ大きさほど床材が違う。鉄製だ。さらに調べると、取っ手が付いていた。なるほど、下への階段があるのか。と取っ手を持って引き上げると、そのしたの床はただの床だった。
「何してんの?」
とマヤ以下皆に奇異な目で見られ少し恥ずかしい。
「あ、あれだよ! これを扉にガチッと嵌めれば、ほら、ピッタリだろ?」
だからどうした、の目が痛い。とギイイと扉が開いた。どうやらこれが正解だったらしい。皆の目が感心の目に替わっている。良かったー。
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