第43話 空き教室での教師との一時
昼休憩。
俺は、宮下先生に空き教室に呼び出されていた。
俺が指定された教室に入ると先生は、窓際に腕を組みながらもたれ掛かかっており、窓の外を見ていた。
俺が来たことに気付いたのか先生は外を見るのをやめ、俺の方に視線を向け口を開いた。
「お!来たか!」
先生は昨日と違い、落ち着いた表情をしていた。
「どうしたんですか先生?急に呼び出したりなんかして」
すると先生はふっと笑い語り掛けてくる。
「分かっているだろう!西城の事だ!」
先生には、やはり昨日の放課後の教室での事もあるので、昨日の事件に俺が関与していることに勘付いているようだ。
「俺は警察に通報しただけですよ?」
これでごまかせたらよかったが、先生には通用しない。
「そんなわけあるか。西城がどこにいるかもわからない、なおかつ一学生のお前が通報したところで警察なんて動かないだろう!」
やはり先生を騙すのは無理がありそうだ。
「まぁ、それは警察に知り合いがいるんですよ」
「ほぉ、そりゃすごい偶然だな!」
先生は一歩ずつ近づいてくる。
そして俺を壁に追いやり、俺の頭の上に腕をつき顔を近づけてくる。
いわゆる壁ドン的なものだ。
俺の初めての壁ドン、女教師にされちゃったよ!
「ちょっと近いですよ先生」
目の前に先生の顔があり、吐く息が感じられるほどの距離だ。
「私はな、山田!今回西城を助けてくれたことはすごい感謝している」
そして、ただでさえ目つきが悪いのにさらに悪くして俺に言う。
「でもな、それによってお前が危険になることも、私としては看過できないんだ!」
そこで先生の鋭い目は、鋭いながらも優しさを含んでいることに気付く。
あぁ・・・そうか。
「宮下先生・・・心配かけてごめんなさい」
俺がそういうと、先生が抱き着いてきた。
えぇ!?
俺は思わずびっくりして、バランスを崩し、床に倒れてしまった。
「ちょ!先生!?」
(先生の体柔らけえ・・・)
「本当に心配したんだぞ!」
先生は俺の顔の横で、震えた声を出していた。
先生はどうやら泣いているようだ。
「あの後、飛び出して行ったお前を見るとただ事じゃないとは思っていたが、まさか西城があんな事件に巻き込まれているなんて思いもしなかった」
そして。
「せめて、飛び出していく前に私に説明して欲しかったんだがな」
先生はそう言うとさらに強く抱きしめてきた。
「無事に帰って来てくれてよかった」
先生はそう言うと顔を上げ、再び顔が迫ってきた。
ちゅっ
何と先生は俺の頬にキスをしてきた。
「ありがとうのキスだ!」
俺は顔が赤くなる。
「先生!何やってるんですか!」
俺はそう言うと、先生は笑いながら言ってきた。
「なんだ、口にした方がよかったか?」
「そういう問題じゃ・・・」
「まぁ、ご褒美だ」
先生はそう言うと俺の上で起き上がる。
俺の上で座る体勢となった先生はあることに気付く。
「お!なんだ山田!元気じゃないか!!」
先生はニヤリと笑っている。
「なっ!」
俺は今の現状を打破するため、思わず起き上がると先生を押し倒す形となってしまった。
そして手は先生の柔らかい胸に沈んでいく。
俺は慌てて手をどける。
「違うんです先生これは・・・」
「なんだ山田。積極的だな」
先生はそう言うと俺の背中に手を回そうとしている。
この先生は、学校で何をしようとしているんだ。
俺は素早く立ち上がり、教室を後にすることにする。
「先生、もう授業が始まるので!!」
ドアを開けたら先生は、俺に声をかけてきた。
「そうだ山田!うちの部屋の掃除ありがとな!」
俺は振り返ると、先生の顔はにやけていた。
「あの日、お前に言ったことは本心だからな!」
どうやらあの日の晩のことはすべて覚えているみたいだ。
俺は、頭を下げて教室に向かうのであった。
俺はしばらく、興奮が収まらなかった。
なんせあんな美人な先生に頬にだったとしてもキスをされたのだから。
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