第29話 うちの高校にはアイドルが居たみたいです
俺は今日も学校に行くべく、制服に着替えていた。
ちなみに昨日、週末に里奈と行く約束をしていた遊園地に由愛も連れて行くことを電話で伝えたら、2人で行きたかったのにと言われた。
昔はよく3人で遊んだんだしいいじゃないかと、何とか押し切った。
「そんなに2人だけで行きたかったのか」
この埋め合わせはまた今度にと、念を押されたのである。
≪乙女心は複雑ですよ≫
乙女心ねー。
俺は、その心は一生解明できないだろうと思い、1階に下り朝食を食べる。
俺は朝食を食べながらツブッターのニュースを読んでいると、とあるアイドルグループの事務所が倒産したというものがあった。
アイドル・・・なんか最近聞いた気がするな。
あぁ、そうだ。
(須藤が推していたアイドルが、なんかエロビデオデビューするとか言ってたな)
そして、今日見かけたアイドルグループの倒産。
アイドル業界ではいったい何が起こっているのだろう。
「アテナ!最近アイドルの問題が多いみたいだけど分かるか?」
由愛は不思議そうにこっちを見てくる。
「カズ兄、アイドルに興味あったの?」
由愛は、いじる気満々なのだろう。
目つきがいやらしかった。
「違う違う、なんか最近アイドルのよくないニュースよく見かけるからさ。気になっただけだよ!」
「ふ~ん」
妹は疑いの目で見てくる。
たまには俺の言うこと信じろよ!
そう思っていると、アテナの答えが返ってきた。
≪調べた結果。アイドル数の急激な増加が問題なようですね≫
「えっ?最近アイドルってそんなに出てるのか?」
≪はい!需要を大きく上回った数のアイドルが今現在います。そして増え続けてもいますね≫
なるほど。
でもそんなに問題になるまで、アイドル業界は何も考えずに急激にアイドルを増やすものだろうか。
アイドル業界はそこら辺考えて、行動していると思うが。
≪最近では、特にSNSを使い個人で活動しているアイドルなどに、TVや雑誌のオファーが舞い込んでるみたいです≫
「なるほど。個人で活動しているアイドルが増えてきてるから、こんなニュースが増えてきてるのか」
俺は納得した。
「そういえばお兄ちゃんの高校にもアイドル居るみたいじゃん!」
「えっ!?」
それは初耳だ。
うちの高校に、アイドルがいたなんて、この1年間まったく聞いたことがないぞ。
「えっと、そのアイドル1年生にいるみたいだよ!」
それを聞いて俺は納得した。
今年になって入ってきた1年生に、アイドルが居たってことだ。
それなら知らなくてもしょうがないな。
「名前なんて言うの?」
同じ高校に通っているアイドルだから、調べておいて損はないだろう。
「えっと、ごめん。名前までは知らないや!」
「アテナ!分かるか?」
≪はい!1年5組の
なんだ、まだまだ浅いな。
アイドルデビューしてまだ1年も経っていないのか。
それなら、なおさら騒ぎにもならないし気付きようがないだろう。
それにしても・・・
「そんな事務所聞いたことないし、アイドル共にまだ若いんだろうなー」
「学校で見かけたら、写真とサインもらってきてよ!」
「いや、それは図々しいだろ」
俺は拒否した。
「まぁ、ライブやファンサービス会開いたときに、貰うのならいいかもしれないけどね」
学校に来てまで、サインお願いとか言われたくないだろう。
それにしても通ってる高校に、アイドルがいるなんてすごいよね。
それがさらに同級生なら文句のつけようもないかもしれないが、さすがに学年が違うし残念だ。
淡い妄想を胸にしまい、朝食を食べ終える。
いつかそのアイドルに会えたらいいな。
そんな思いを胸に、今日の一日は始まる。
しかし、そんな俺の願いは、すぐかなえられることになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます