第27話 ジムの集客効果
俺は放課後とある場所に向かっていた。
それは、以前に集客対策をしたジムだ。
そういえば俺あれからジム行ってないなと思って、今日行くことにした。
俺のジム通いはどうやら3日坊主だったようだ。
須藤も筋トレを始めたようだったが、それも3日坊主で終わったと聞いた。
須藤と同レベルという事に納得はできないが、軽い気持ちで始めてもどうやら俺たちは続かないらしい。
そういう話で終わった。
今日、里奈は連れて来なかった。
前回の集客効果で、もし客が増えたのであれば、それは里奈をツブッター越しで知っている人もいるという事なので、身バレを防ぐために誘わなかった。
動画撮影と拡散に協力してくれたのはでかいが、普段から使うのは避けた方がいいだろう。
もし、里奈がジムでトレーニングしたいのであれば、ツブッターでジムを作って、そこを利用してもらうのが良いかもしれない。
そんなことを考え歩いていると、ジムに着いたようだ。
案外学校と自宅との間にあるので、通うならもってこいのジムだ。
ジムに着いた瞬間から異変に気付いた。
以前に行ったときは、広い駐車場には車は5台停まっている程度だったが、今では半分ほどの駐車スペースが埋まっていた。
結構人は来てそうだが、まだまだ車で来る客が増えても駐車スペースは余裕だ。
つくづく駐車場がオーバースペックな気がしてならない。
「広すぎだろここの駐車場・・・」
最初、どれだけの自信があればこんな広い駐車場が作れるのだろうか。
でもこの数を見たら、集客は成功だろう。
むしろいい設備が整っているのに、今までが異常に少なすぎたのだ。
ジムの中に入ってみると、受付にはいつもおなじみのお兄さんがいた。
するとそのお兄さんは俺に気付いたようで声をかけてきた。
「あ!こんばんは山田さん!」
そのお兄さんは俺を見るや、満面の笑みでカウンターから身を乗り出し俺に挨拶してきた。
「こんばんは!どうですか?お客さんは?」
ここからじゃ中は見えないので聞いてみる。
「大成功ですよ!山田さんに対策を立てて頂いた次の日から、お客さんが増え始めて過去最高を更新し続けています」
なるほど。
やはりホームページ作成、マシーンの使い方の動画作成などしたかいがあり、1番効果があったのは、やはり里奈による拡散だろう。
持つべきは顔の広い幼馴染だな。
ツブッターがそれらの支援したことを示したのも効果があったのかもしれない。
「オーナーは居る?」
「すいません。オーナーは今日お休みを取っているため不在です」
お兄さんは残念そうな顔で俺にそう言ってきた。
「とてもお会いになりたそうでしたので、残念です」
「まぁ、居るときにまた来ますよ!」
ツブッターではコンタクトを取っていたが、今日来ることは伝えていなかった。
あれからどうなったか気になったので、急に見に来たくなったのだ。
「ちょっと中見てもいいですか?」
「どうぞ!」
俺は許可を取ると、中に入っていった。
まぁ、会員だから勝手に入って何なら体を動かしてもいいのだが、今日は止めておこう!
まだその時じゃない!!
中に入ると、今まででは考えられないほどの客がそれぞれのトレーニングマシーンでトレーニングしていた。
そしてスマホを取り出しQRコードを読み取り、動画を見てマシーンの使い方を学んでいる人もいたので、スタッフが少なくても対応ができているみたいだ。
見た感じ男性が多く、8割程といったところか。
おそらく里奈のフォロワーはやはり男性が多いので、男性客が多めとなったのだろう。
しかも今来ている客も、このジムの事をツブッターでつぶやくことでさらなる集客が得られるので、今後に期待かもしれない。
俺が手伝えることはもうないだろう。
俺は皆にこのジムのすばらしさが伝わったことに満足したので、帰ることにした。
良いジムなのに、みんなに知られることなく潰れるのは間違ってるしね。
このジムは、今後も客の数が増えていくことだろう。
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