第23話 ジムのシステムを少し改良しました
撮影を終了したら、里奈は制服に着替えていた。
もうちょっとコスプレ姿のままでいてもらってよかったのだが。
残念だ。
「アテナ。動画の編集を頼む」
≪はいマスター。もうすでに終了してありますよ!≫
さすがアテナである。
仕事が早い。
ちなみにアテナの声は俺にだけ聞こえてる。
「あら、独り言?悩みがあるなら相談乗るわよ!」
悩みが余計悪化しそうな気がするからやめておこう。
「いえ。ちょっと電話がかかって来たみたいです」
なんとかごまかし、オーナーに背を向け離れ、電話をする振りをしてアテナに指示を出し続けた。
数分後、離れていた俺は作業も終え、みんながいる場所に戻ってきた。
そして俺はオーナーに告げる。
「作業は大体終わりましたよ」
「えっ?そんなすぐ終わるものなの?」
「はい。まず、このジムはホームページがないようなので、勝手ながら作らせてもらいました!」
「えっ?ホームページを?」
俺はパソコンを取り出し、このジムのホームページを開いて見せる。
するとそこには、施設紹介であったり、スタッフ紹介、マシーンの使い方動画などがあった。
「とりあえず、ホームページとして機能するものを組み合わせて作りました。追加してほしいものがあれば、言ってくれれば追加します」
「あら・・・すごいわぁ!」
オーナーは嬉しそうだ。
「ホームページ作るの業者に頼んだら結構高くてね。今のうちではとてもじゃないけど手が出せなかったのよ」
確かに数十万取られるし、少し時間がかかるのは聞いたことがあるが、アテナの手にかかればすぐ終わるのである。
「あと、マシーンの使い方の動画は、先ほどの里奈の動画を載せておきました」
そういうと動画を再生してみせる。
動画の下にはテロップがあり、解説の音声はアテナの声である。
「あら、やっぱり里奈ちゃんかわいいわね。これを見たら、お客さんもいっぱい来てくれそう!」
俺はうなずいた。
「そして、これなんですけど」
そう言って俺は数枚の紙をカバンから取り出す。
「これにはQRコードが印刷されていて、シールになってます」
見てみると、シールにはQRコードがたくさん印刷されていた。
「これは、それぞれのマシーンの動画サイトにつながるようになってるので、それぞれのQRコードをマシーンに貼っておくと、初めてマシーンを使う人でもスマホでそのQRコードを読み取ったら動画が流れて、正しい使い方が分かる寸法ですよ!」
「へぇ!そんなことができるのねえ~。世の中便利なものね!」
「和樹・・・あんた考えたわね」
「これだけすれば、お客さんも増えてくれるわよね!」
オーナーはそう言うが・・・。
「まだ足りませんね。これだとお客は増えないです」
「え!?なんで増えないの?」
里奈は疑問そうに聞いてくる。
「これだと、まだ来てくれている人が知人に勧めるぐらいにしか効果がないんだよね」
「あ~。確かに言われてみれば・・・」
里奈は納得していた。
「じゃあどうすればいいのかしら?」
それはですね、
「里奈!里奈のツブッターのアカウントで、ジムで動画撮影の仕事を受けたことを拡散してほしい。ついでにPVの動画も載せてね!」
「あぁなるほど。うんいいよ!」
里奈はそう言うと、早速スマホを操作してくれた。
PVの最後には、ツブッターが制作に関わっていることを示すべく、製作協力にツブッターのロゴを入れておいた。。
これで、このジムと里奈はツブッター協力の元、協力して作業したことが皆にわかり、興味を持ってくれる人も増えるだろう。
「俺たちが手伝えるのはこれぐらいかな・・・」
≪そうですね!≫
「本当にありがとう!私嬉しいわ!!」
それからしばらくオーナーは涙が止まらなかった。
オーナーの泣き顔えぐいな・・・。
俺はその気持ちはそっと胸に閉じ、トイレに向かうのであった。
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