第18話 ツブッターの起源
夜、今日の出来事がニュースに流れた。
右舷社長は指示通りに記者会見を開き、明日には対策を立て発表する都度も伝えていた。
ネットの反応も、ツブッター社員が個人情報を悪用していたことに不安がっていたが、素早い対応に安心した様子であった。
「なんかツブッター大変そうだねお兄ちゃん」
夕食を食べながらそのニュースを見ていたら妹が話しかけてきた。
由愛は、俺がツブッターのCEOであることを知っている。
「そうなんだよねー。やっぱり便利なものには、それなりにリスクがつきものだよね」
そのリスクをどのようにしたら少しでも下げることができるのか。
頭を悩ませている人が多い課題だろう。
「最初は私とカズ兄しか使ってなかったのにね」
最初は、2人で日常の情報の共有程度に使っていた。
しかしそれは、思った以上に便利なものだった。
そこで、他の人にも使ってもらい皆で情報を共有出来たら、もっと面白いんじゃないかと思ったのがツブッターが世界に広がったきっかけだ。
その頃から、自分たちだけが使うものじゃないので、皆が使いやすいようにどんどんと改良も進めた。
最初は少人数しか使われていなかった。
それが今では、考えられないほど大きなものになり、日々大勢の人に利用してもらえるようになった。
「今では世界中の人が使ってるからねー」
ほんとに大きくなったものである。
「それで解決策って何?」
由愛は気になっているみたいだ。
「まぁ、明日になったら分かるよ」
「えー教えてよー」
「駄目駄目!ひ・み・つ♪」
ちょっとかわいらしく言ってみた。
由愛は、何も返さず夜ご飯を食べ続けた。
俺は固まった。
反応してくれよ!妹よ!!
今日はそれ以降、由愛は口を開くことはなかった。
手厳しい!
≪嫌われちゃいましたかね?≫
アテナの声がする。
これは衛星から、最新のテクノロジーを使い、俺にだけ聞こえるように音波が送られている。
よって、周りにはこの声が聞こえない。
またその返事を答えると、俺の声による空気振動を捕らえ、何を言っているのか分かるという優れものだ。
ただ周りには、独り言をつぶやく変な人と思われてしまうだろう。
夕食を食べ終えた俺は部屋に戻り、明日の準備をするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます