第10話 助けて
俺は帰りの電車で、ツブッターを見ていた。
里奈は、まだ買うものがあるらしく、あれから別れた。
ツブッターでコスプレと検索をかけると、たくさんのコスプレイヤーが写真をアップしていた。
確かにすごいなこれは。
そのコスプレをしているキャラクターに似せるために、画像加工をうまく使っていた。
それに何より、露出が多い人も結構いるな。
いろんなコスプレイヤーのつぶやきを読んでいると、迷惑なコメントやダイレクトメールに苦労しているという人が、ちらほらいた。
まぁ確かにかわいい子がいたら、関わりを持ちたいと思い、コンタクトをとるのは普通なのかもしれない。
そういうのを、本人でブロックできるシステムとかあったらやっぱり良いみたいだ。
そうすることで、そういうコンタクトをストレスと思ってる人たちの問題は解決できるかもしれない。
そして読んでいたら、その中にはコスプレイヤーのグループができていた。
さらに、コスプレした人たちが集まる撮影会なども開催されているらしく、それはたくさんの人が集まっている写真などが上げられており凄まじさが伝わってきた。
さすがに、撮影会でのトラブルまではツブッターで防止することは無理だろうな。
もうそこは、大会の運営次第だろう。
そんなコスプレイヤーのフォロワー数を見ていると、平均10万前後だった。
里奈のやつ、フォロワー100万人って予想以上にすごいんじゃないか?
そんな感じで見ていると、メールが入ってきた。
内容を読んでいくと、仕事の内容のメールだった。
どうやら明日は休めそうにないらしい。
学校行きながら働くって大変だな。
電車が駅に停まりドアが開いた。
するともう1通メールが来た。
そのメールを見た瞬間、降りるべき駅ではないのに俺はダッシュで飛び降りる。
周りにいた人は、降りる駅が過ぎたか、今目的の駅に着いた事に気付いて慌てて降りたように見えただろう。
メールは里奈からで、【助けて】とだけ書かれていた。
里奈がこんなメールを送ってきたのは初めてだ。
おそらく、よほど危険な状況なのだろう。
別れて20分ほどしか時間は経っていない。
この時間だと、里奈はまだ買い物を続けていたと考えていい。
元の駅に戻るのは、電車だと20分以上、車だと今は夕方なので帰宅ラッシュだろうから時間はかかるだろう。
どうすればいいか考えていると、俺の頭の中で最も早く目的地に着く方法が出てくる。
ちょっと目立つが仕方ないか!
俺は、時間との勝負だと判断し、すぐにスマホを操作する。
「間に合ってくれよ!」
俺は、そう祈りながら目的地へ向かう。
最も時間がかからない方法で。
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