第6話 うちの妹はしっかり者です
朝起きたら、ツブッターにダイレクトメールが入っていた。
その内容を読みながら着替えをすまし、1階に降り朝食を食べる。
そうしたらテレビでニュースが始まった。
内容は、またツブッターでの事件で、ここ最近多い気がする。
「こわーい。カズ兄も気をつけてよ!」
そのニュースの度、毎回妹に心配される。
俺ってそんなに事件に巻き込まれそうにしているのだろうか?
というかむしろ・・・
「由愛の方が危ないだろ!今のところ全部女の子狙われてるみたいだし」
心配ではあるが、気をつけてもらう以外ない。
「まぁ、私かわいいしねー」
何処からそんな自信がわいてくるんだ。
由愛はそう軽口をたたき、俺の方を見て何か待っているようだった。
俺は少し考え、察した。
そうだ、そろそろあの日か。
俺は、おもむろにスマホを触り、その作業を終わらせた。
「そういえば由愛、今月の生活費とお前のお小遣いツブッターに送っといたぞ!」
すると妹はテンションが上がった。
「お!やったー!!悪いね兄よ!兄ばかりに働かせて!!」
なんて軽い言葉だ。
頑張って稼いだお金だ。
もっと心を込めて言って欲しいものだ。
俺は生活費など稼いで、月に1度由愛に渡すことになっている。
その渡したお金で、1ヵ月の生活プランを練ってもらうのだ。
そこらへん、由愛は長けているらしく、きっちりとお金の管理をしていた。
生活費10万円、お小遣い1万円だ。
中学生にしてはお小遣いが多いが、家のこと全般やってくれているので安いくらいだ。
ここまで、しっかりした妹はそうそういない、自慢の妹だ。
そして朝食を食べ終わったら、登校までの少しの時間、ツブッターにて情報収集する。
ツブッターは、ニュースなども見れるし、そのニュースに対しての世界中のコメントを読むことができる。
ツブッターが出来た当初は、ここまで世界中の人に愛され、億を超える利用者を得るとは誰も想像していなかっただろう。
今では、テレビのニュースですらやらない小さな記事ですらツブッターで見れるし、それに対するコメント欄がすごいことになっている。
中には、テレビではニュースを見ないけどツブッターでは見るという人も出るぐらいだ。
それは、そのニュースに対する皆のコメントが面白いというのもあるだろう。
その中にはもちろん外国人も含まれる。
世界中の人と、気軽につながることができるのは、これをもって他にない。
外国語の文章や動画も、即座に日本語化され表示される。
通話に至っても、即翻訳され言葉が通じない国同士であっても自国の国の言語でそれぞれ通話ができる優れものだ。
しかし便利な分、犯罪に使われることも多く、それは即座に対策を立て犯罪が起こらないようにすることが重要であろう。
今回のツブッターを使った誘拐事件も、即座に対策が練られるだろう。
やはり、時代を統べる物には問題が常に付きものみたいだ。
「カズ兄!カズ兄!!」
「ん?どうした?」
「どうしたじゃないよ!もうそろそろ出ないと遅刻だよ!」
いつの間にかそんな時間か。
「じゃあ行くか!」
「まったくカズ兄は、私がいないと本当に駄目だね!!」
「あぁ、いつも助かってる!妹よ!!」
「もぅ!」
あぁ、そうだっだ!
「由愛、俺今日帰り少し遅くなりそう!」
「え?なんで?」
「俺もちょっと運動しないとダメかなって思ってね。今日からジムで運動することにした!」
「あの怠け者のカズ兄が、どんな風の吹き回し?」
「ちょっと知り合いになった人が、その事務のオーナーでね。話してたら、通う流れになっちゃった」
「あーそういう事ね。タカ兄流されやすいし」
「まぁ、そういう事だから、よろしく~」
「あいあ~い」
妹はそう言いながら、玄関に向かう。
さぁ、今日も1日が始まるのか。
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