夢の中で…

リヴェルーが魔法学校で学業を謳歌おうかしていた中

自室に戻り、ベットに入って寝ついた時、私は神だった時に任命した後輩の夢を見た


「夢にお呼び出しするなんて、研修が終わったのかい?リヴェルー神」

と、目の前に現れた後輩を見て問いかけた


「まぁ…そんなとこだけど、リヴェルーは学校楽しい?」


「そんな世間話するために夢に出てきたの?夢を見ると…」


「睡眠の質は低下するのは知ってるよ。でも、神の権能でこの世界の進む時間を止めておいたし、リヴェルーが望むなら忘れられるようにしておいたけど……」

と、後輩は外堀を埋めるように…もしかしたら元々そういう性格の「人間」だったせいなのか、私の心配事をケアしてくれている


しばらく後輩と私は他愛のない世間話をする

ハディーに連れていかれる前に転生した人はその後元気だったこと

ザクルスキーの箱庭に行きラビィとドラグーにあったこと

その箱庭では、歪んだ繁栄の思想を持っている人がいてハディーに連れていかれたこと…       


「あぁ、いっぱい経験したんだねぇ」

と、お茶をいっぱい飲みたくなるくらいの話のボリュームだ


「ラビーも、ドラグーも黙って転生なんてって言ってましたよ。仲よかったんです?」


「まぁねー」

と私は後輩に、ドラグーとラビィを知り合った経緯を話した

ザクルスキーがデスマーチという大量の転生者を生み出す事が何度も続いた頃

どうしても内輪問題なのでと、介入を拒んでいたところ、ハディー神の提案で秘書を自分の箱庭に採用し

神の会議で顔合わせしたあたりから、ザクルスキーの代わりに交代でラビィとドラグーが出席し

会うたびにザクルスキーの事を聞いていたと


「そうだったんですね…ちなみに、リヴェルーが神だった時にヤバそうな人ってどうしてました?」


「んー…やばい人は、それにおあつらえむきの世界があったからそっちに飛ばしたねー…あとはスキルにも一応目を光らせてたよ」

ちなみに私がおぼろげなのは後輩に記憶も引き継いだからだ


「そうなんですね…でも神としてなったのがある意味リヴェルーで良かったと思います」


目の前にいる後輩は思ったことを言ったのだろう

「でも、なぜこの世界にリヴェルーは来たんです?」

そしてさりげない質問も投げかけてきた


「それは、前に転生させた人がいい感じにライフを送っていたからだよ」

と私はそれ以上でもそれ以下でもない答えを言う


後輩は「前の転生者の功績を自分で見るのは辛くはないです?」と続けて質問をぶつけてきた


「いいや…私は、自慢ではないけど、評価はそこそこ良かったから、悪い人生を送らせたとは思ってないよ。それに、ここで語り継がれてる立派な人は私が神の時に転生させた人だしね」

と後輩に話す


「君も何かしら見つけていい世界に転生できるといいね」

と私は今度は後輩に言う

後輩は少し戸惑いつつも、はいと答える


「今すぐじゃなくてもいいさ。どの世界でも関わりがあると嫌なことはあるよ。でも、君は一人…いや、秘書を雇ったといても、少しでも視野が広がれば…」


「リヴェルー…あなたは数分くらいの会話でそこまで思っていたんです?」

とカチンとくるようなことを言うので


「当たり前じゃんか!私が自由人な神だと思うのかい?」

とあってすぐ神の座を渡す自分にブーメランな発言をしたと思ったが


「でも、あの場で人間以外の転生先があるよと言っても、君は満足したかい?」

とさらに問いかけをする


「…もしかしたら…っていう生き方はありますね。これは今だからこそ言えるからかもですが」


「そう…」

私が後輩の生い立ちを見た時は「パッとしない生き方」に精神的な負担も重なり、記憶を消して転生させようと思ったが


「色々話を聞いてくれてありがとうございました」

後輩が気が済んだのか、その言葉は私の夢から出て行くサインだ


「向こうに行ったらハディーの話、よく聞いておきなさいよ?」

と私がいうと、反抗期真っ盛りの子供のように「わかってますよ」と返ってくる


後輩くんに生きていた頃より幸せを掴んでほしいな…

そうして私は次の日を迎える

「うーん………一体何がったんだっけ」


後輩め…夢の中の記憶全部消していきやがったな…と心の中で愚痴をこぼす


「さぁて、今日はどんな魔法を学ぼうかな」

私は布団から起きて、学校へ向かう準備をし始めるのであった

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