新たな課題に向かい合う時

リヴェルーの夢枕に立った後

私の箱庭にはハディー神がたたずんでいた


「ハディー神、すいません。何か用事でしょうか?」


ハディー神は君にも報告しておこうかと思ってね、と何かを話す準備をしはじめる


「ザクルスキーの箱庭で暴れていたやつについて、全ての神に共有している事を伝える」


一つ、今回の件で神に対しての隠蔽いんぺいがあった事

二つ、隠蔽いんぺいは神の権限で弱きもの(デバフに近い)に転生しても引き継がれてしまう事

三つ、現在はそういうスキル対策をし、転生者として来た場合すぐにわかるようにしてある


わかりやすくいうとゲームでチートしてる人がわかりやすく爪弾きできるようになったわけ、か

と思った時、私のスマートフォンもとい、ドラゴンが「確認しました、スキルチェック、スキャン開始」と機械的に話す


ハディー神がそれにきづいたのか

「そういえば、肩の龍と、猫はなんなんだい?」

と、サンシローちゃんを指差しながら言う


「猫は、生前に好きだった猫を、自分の記憶をもとに作り出しました。ドラゴンは、元々持っていたスマートフォンを、自分の世界を管理する感じにしておいてます」


「ふむ………それなら、その猫は何もしないマスコットより、リヴェルー神の秘書のように話す事と転生させる権限を与えてみては?」

とハディー神は提案する


「確かに、大量に転生者がくる、と言うこともなくはないですものね」

と、サンシローちゃんが、私のように喋る、転生する事をイメージする…


「ふわぁ…まぁだ話してるんか?早く構えよー」

とサンシローちゃんは喋り出した


「君の好きな猫って、あんな感じに喋るのかい?」

とハディーに聞かれたが、私がいた世界では動物は一部を除きしゃべらないので、と返した


「そういえばハディー神、一応の確認ですが彼の魂は今…」

彼、とはザクルスキーの箱庭で暴れていた魂のことだ


「あぁ…私預かりになってるが、最終的に最高神の箱庭…いやもはや魂の監獄かんごくだな…そこへ行く予定だ」


最高神の箱庭…私の叩き込まれた記憶だと

自分がいた箱庭の邪神として降臨したり、最高神を楽しませる、見世物小屋のようになってるらしい


また、なのだ

今のところ、リヴェルーのところでの大罪人はいないようで、もし邪神を災いとして世界に送りたいなら、他の箱庭の邪神を招き入れる形になるが


「そういえば邪神とその元仲間をぶつける手立ては…」


「残念ながら、邪神の繁栄ですらも毒は薬になるというように、効果はなかったよ…」

とそれで解決すれば苦労はしないと、ハディーがため息混じりに言う


自浄ができないとなると、最終的にハディーの下す処分…最高神の箱庭行きとなるわけだが

ザクルスキー神は、この事をを知っているからこそ

元仲間のプライドが傷つかないように、自分で抱え込んでいたのだろうか


だがこれを聞いて疑問に思った事を私はハディーにぶつける

「そういえばザクルスキー神の力は弱まってないように感じましたが…」


元仲間が活躍すれば、おのずとその元仲間が神よりもすごいと吹聴ふいちょうして回れば

自然と神は転生者に強いスキルを与えることや、世界の均衡きんこうを保つのが難しくなる


「そこは元仲間だからこそ、なのか…彼自身活躍すればザクルスキーの導き…と言って回っていたそうだよ」


なるほど…確かに、活躍は神のものだといえば


「転生するたびに良くも悪くも、カリスマ性を伴う扇動せんどうは、全て神の元に捧げる繁栄とやっていたから、直接は影響しなかったのさ」


全て伝えるべきことは伝えたと、ハディー神は背を向けて私の箱庭から出ていく準備をする


「せいぜい、心を病むような事を…神とはいえ、心はすり減るからね」

と、言って私の箱庭から去っていった

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