自分の箱庭へ…

ザクルスキーの元を離れ、自分の再起の箱庭に戻った

神の世界では1日と言う単位がないため、どれくらいすぎたのかわからないが

1ヶ月ぐらい…いや……もう考えるのをやめよう……


目の前に集中させるために、パンと軽く頬を叩く

「よし…」


ハディーが秘書としておいてくれた人と、情報共有し

私がいない間にも転生者がいる事を確認できた


「…デスマーチを経験すると、少ない……って感想はおかしいよなぁ」

再起の箱庭にくる者たちは何かしら後悔があるって事だし

現に「後悔」は自分もないと思ってたが、やり直したいという思いが再起の箱庭へ呼び寄せたのだろう…とおもいつつ

さっそく転生した人たちの様子を見てみる


自分の箱庭なので、肩に乗ってるドラゴンのスマートフォンに頼ると言うより

転生者のことを考えると、パッと画面が目の前に表示される

ザクルスキーのとこで研修してた時に、転生していった人たちは、転生後の世界ではもう立派な大人になっている…


見る限り問題のがないようでホッとしたが

ザクルスキーの元仲間のことが頭をよぎり

手を止めて、1から……元リヴェルー神の時に転生した人たちにも目を通し始める


私の…神のできることは、不利な状況や有利な状況を天啓として示すこと

それは全ての未来や世界の状況をみる千里眼よりちっぽけなものだが

お告げで未練なく人生を終えることができる、ひっかかりがなくなるなら…と


「あれ?ユイさんだっけ……見た目全然違う姿になってらー…」

ふと目に入った意識ある状態での、最初の転生者の姿だ

モンスターとの共存する世界へと転生した彼女は

私がみる様子だと、ドラゴンにまたがり様々な街を旅をしているらしい

細かく見ているとキリがない、彼女の世界には大きな問題はないが…


「これだけ注意しておこうかな…えっと、西のニーヴルヘルム……でいいのかな…に気をつけろ…」

独り言を言いながら天啓としてその世界に情報を飛ばす


「スマートフォンの操作でメッセージを送る感覚に近いんだ…まだ私は人間なのかな…」


「次、つぎ…っと、」


平和な世界を示す表示であっても転生者が無事に過ごせているであろうかと思い目を通す

その間に箱庭へ転生者が現れても、ザクルスキーの元で行っていたやり方で無難な転生先へと転生させる…


「マルチタスクで失敗したら怖いから、自分を分裂させるなんてできるのかなぁ…」

と現実世界で体が後何体、腕が足りない!と

多忙で冗談を言っていた事を思い出したが、腕がたとえばにゅいーんって


「伸びてるー?!……ってザクルスキーは想像すれば…と、言ってたからなぁ」

でも腕が伸びてるのは変なので、自分自身を切り離すのではなく…分身がいいのかな…


イメージすると自分と同じ姿が鏡写のように目の前に現れた

「これだと、最初に見れる状態の人びっくりするよなぁ…」

と、誰も聞いてない独り言を言いながら

この世界に来る前に大好きだった友達の猫をイメージする


「ありゃ〜、サンシロちゃんにそっくりだねぇ〜きゃわいいねぇー!」

姿が変わった自分の分身を撫でると、本当に猫を撫でてる感触で見た目でなく行動も同じ様にする事に喜びを感じた


「生きてた時は、猫をこうやって吸いながらお金が振り込まれればいいなー…って思ってたけど、今はそれが叶ってるから…転生しないで、このままでよかったのかも」

きっとこの姿をハディーが見たら「猫に顔を埋めながら適当にやっているな!」と怒るだろうなと、想像してしまったが


「そういえば、リヴェルーには夢枕に立つ様なことはできるのかな…」

元、神様としてどんなことがあったのか興味が湧いたのと

ドラグーやラビーにもよろしく伝えておいてくれと言われたのもあるので

ここは一つ、やってみますか!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る