第26話 あ!
先輩達が帰ったのは午後9時を過ぎていた。ビデオなどチェックしたかったのに木佐先輩の話が止まらなくて……毎回くだらない話の方が多くなる。
うるさいのは面倒だが、1人になるとやっぱり少し寂しい気はする。たまにはちゃんとした家庭料理が食べたくなる…お金あるし家政婦さん頼もうかな…未成年だから雇えないか…。
母さんとは会いたいとは思わないけどご飯は美味しかったな。仕方がない。これが選んだ道なのだから。
カップラーメンをすすり、今日の体育の時間帯、男子が着替える部屋のビデオカメラをチェックしていた。
「あ!出た!!」
映っていたのは2人、服装を見ると男子の制服だった。
「男か…。一応女子の方も真由先輩に見てもらわないと。」
午後11時を過ぎていたが、早く知りたいだろうから先輩達にメールを入れた。すぐに返事が返ってきて
『今から行く!』と木佐先輩から返信が入ってきた。
「マジかよ。俺寝たいんだけど。」
『今から行く!今日泊まらせて。』
「真由先輩もかよ。また賑やかになるな。」
『危ないから木佐先輩と一緒に来てください』とメールを打ち、仮眠をとるために目を閉じた。
「ピンポーン、ピンポーン」チャイムがなる。目を開けると目を閉じてから30分ぐらい経っていた。
「早いよ!まだ30分じゃん。どんだけ早く出てきたんだか…。」
モニターを覗くと2人がアップで写る。思わず笑ってしまった。
鍵を開けるとあっという間にドアを開け入ってきた。
「先輩達早すぎです。少し眠ろうと思ったのに…。」
「そんな事どうでもいから早く動画見せて!!」
おい!真由先輩も容赦ないな。
「お前の好きなたこ焼き買ってきたから早くみせろ!」
「わかりましたよ。俺はさっき見たから2人で見てください。再生ボタン押せば見えますから。」
たこ焼きを食べながら見終わるのを待っていた。2人とも無言で食い入る様に見ている。
「なんか本当にこんなことする奴いるんだな。」
「そうだね。こんな事してバレないと思ったのかな。」
「金を何に使ってるんだろう。地道にバイトとかすれば良いのに。」
「バイトしてても足りないのか…それともただの遊ぶ金なのか調べないとですね。あ、真由先輩、女子の動画の方とりあえず見てもらって着替えが終わってみんなが出て行ったあたりまで消してもらって良いですか。女子の方を見終わったら話しましょう。」
「了解!紳士だね多聞君。こっそり見ちゃっても分からないのに。」
「まあそうですけど、見るんなら彼女だけので良いので。」
「え!彼女いるの?」
「いや、いませんけど。俺は紳士なんで。」
「偉いな。木佐君とは大違いだね。」
「俺見るって言ってないじゃん。」
「なんとなく木佐君は見そうだから。」
「すげー失礼!」
「日頃の行いが悪いからですよ。」
「多聞まで。俺が紳士なの知ってるだろ!」
「さあ、プライベートは知らないですからね。」
そんなやり取りをしている間に真由は編集ソフトで動画をカットし終えていた。
「カット終わったよ。再生するよ。」
3人は食い入る様に画面を見つめた。
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