第25話 やっとつながった

「遊ぶ金欲しさなのか…それともテストを買う金なのか…。確認するのが楽しみですね。」


 2年A組とB組にしぼってカメラを設置した。2クラスが合同の体育なので着替えはAが女子、Bが男子と別れる。携帯のカメラと違い高性能なので少しはハッキリと映るだろう。タイマーをセットして体育の時間のみに稼働するように設定をした。映し出された動画は多聞のパソコンへ送られ録画される。

 

 週に2回の体育があるが、この2週間は動きが無かった。まあ同じ所で何回もやっていたらバレると分かるよな。多分違うクラスでもやっているのだろう。まんべんなくやれば気づかれるリスクも低くなるが、取るのに時間がかかるからどちらをとっても危険な賭けだ。ひたすら根気よく待っていた。


 そもそもなんでみんな更衣室やロッカーあるのに教室で着替えるんだ?と真由先輩に聞いたい、単純に移動するのが面倒だからと言っていた。なんの為に更衣室やロッカーがあるのか…。


 待っている間に期末前の小テストが始まった。多聞は中間テストでは学年で5位をとっていた。掲示板に100位まで貼り出されるのでみんなもわかっているはずだ。


 今日は1日小テストの日だ。進学校なのでテスト時はみんな真剣だ。多聞は100点のうち50点を切るぐらいに調整しながら答えを書いた。2日後にテストが帰ってくると大体自分が予想していた点数通りになった。机にテストを広げていると、海斗が覗き込んでビックリしていた。


「多聞、お前中間5位じゃなかったっけ?どうしたんだよ。勉強サボったのか?」


「やばいなどうしよう。期末頑張んなきゃいけないのに」過剰に同様しているようにみせた。


「俺、先生に呼ばれているからちょっと職員室へ行って来るよ」さすがに担任も成績の下がり具合に驚いたようで、ラッキーな事に呼び出された。その方が大っぴらに成績が下がった事が分かるので、俺の下駄箱に名刺の入るのは間違いは無いだろう。


 職員室へ入ると担任の桃井沙織先生が多聞に椅子に座るように促した。


「ごめんね。昼休みに呼び出して。」


「大丈夫です。」


「なんで呼び出されたか分かる?」


「点数が下がった事ですか?」


「うん。まあそうね。中間で5位だったのに急に成績下がったね。」


「中間が良かったんで油断しました。」


「そう。それならいいけど。ここで引っかかると後が辛くなるから今頑張ってね。」


「わかりました。」


 多聞は職員室を出ると辺りを見渡した。これと言ってみられてはいなそうだ。誰が黒幕なのだろうか…。


 監視カメラを多聞の下駄箱に設置した。扉を開くと顔がバッチリと映る様になっていた。小型カメラなので多分気がつかれないだろう。

 

 次の日に学校へ行くと下駄箱に小さな封筒が入っていた。とりあえず誰に見られているか分からないので戸惑っているふりをし、にポッケにしまって教室へ向かった。よし!道が出来た。


 家に帰るとすぐにチャイムが鳴り、木佐先輩と真由先輩が家に飛び込んできた。


「名刺入ったんだって?」


「はい。まだ見ていないですけどね。今出すので一緒にみましょう。」


 白く何も書いていない封筒だった。丁寧に開封すると中身を取り出した。名刺だと思っていたが二つ折りの手紙の様だった。


「やあ。小テストが悪かったみたいだね。このままだと期末テストランキング下がってしまうね。大分悩んでいるみたいだし。」


「君を助けたいんだ。僕の話を聞いてみないか。相談に乗るよ。君にとって最適な方法を教えるから。


「メールを待ってるよ。MIKATA〇〇〇〇@〇〇〇〇〇.com」


「本当にこんな手紙入るんだね。」


「あれ?電話番号って聞いてたけどメールなんだな。」


「手段を変えたんじゃ無いんですかね。電話だと追跡される恐れもあるし。うまく引っ掛かったら電話で連絡になるかもしれないですね。すぐに連絡しないで悩んでメールした風に持って行きます。あさってぐらいに返事しときます。」


「なんか楽しみだな。何人関わっているんだろう。全部引っ張り出したいな。」


「絶対に1人じゃ無理でしょうからね。うまく泳がせて一番上を捕まえないといけないですね。」


「なんかドキドキしてきた。」


「なんで真由先輩が?」


「え、だって知り合いとかが絡んでたらなんか嫌だからさ。そうじゃ無いことを祈るしか無いね。」


「そう言えば下駄箱の監視カメラはどうだったの?」


「気付かれたらしく壊されていたらしい。Kから報告がきた。」


「気付かれた?誰に?」


「生徒指導の野呂に。」


「変な機械があるって大騒ぎだったらしい。カメラだ!盗撮だ!って。村川の件から校長に頼まれて学校中を野呂が見て回っているって言ってました。教室に仕掛けたカメラは気付かれていないから、とりあえず安心ですけどね。」


「野呂…全く余計なことを…。」

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