第21話 制裁

「これで先輩助かるよな。」


「ああ、大丈夫だ。」


「なんか多聞が依頼されてる感じだな。」


 やば。ほんと海斗は油断ならない。


「本当だな。話聞いてたらなんか俺もムカついてきたから、そうなって欲しいと思ったら自分がやるつもりになってた」と笑ってごまかした。


「海斗は何で休んだんだ?」


「動画も気になってたし、学校いってさアイツらに顔見られていて携帯とか取り上げられたらまずいと思って。まあバレているかもわからないんだけど、バレるのも時間の問題だし。俺強くないからさ。」


「大丈夫だよ。俺が守るよ。」


「多聞が!?お前とろそうなのに。」


「まあ、大丈夫だよ。怪我大丈夫か?明日は来るか?」


「俺はちょっと足挫いただけだから大丈夫。明日は多聞がいるから行くよ。動画ももうアップしたし。」


「明日迎えに行くから一緒に行こうぜ。」


「えー迎えにきてくれんのサンキュ。」


「じゃあ明日な。あと絶対今日は誰が来ても居留守使えよ。絶対でるな。約束だぞ。」


「何だよ。ああ、わかったよ。あいつらに正体バレてたらやばいしな。」


「後、今度海斗に聞きたいことある。」


「え、何?」


「今度な。」


 念のためKに連絡を入れた。口止めに来るかもしれないしそれを動画に撮って一緒にアップすれば逃げれまい。女もあいつらも許さねねえ。


 家に帰ると海斗から送られてきた動画を再生した。顔も写っているしこれは逃げようがない。どうやってこいつらを懲らしめるか…。

 あいつらはネットに流すか…。女は…。


「多聞、石崎さん連れて来たよ。」


「先輩、協力したいって言ってくれてましたよね。」


「うん。やりたい!!」


「石崎先輩は口は固いですか?」


「大丈夫、絶対に言わない。信じて欲しい。もし裏切るような事があればセクハラの動画顔つきで流して良いから。」


「わかりました。信用します。とりあえず今回やって欲しい事があります。」


「何?」


「先輩彼氏や好きな人はいますか?」


「え!何でそれを聞くの?あのどっちも今のところ無いけど…。」


 木佐は内心喜んでいた…いないんだ。俺にも希望がある…?


「ではちょっとやって欲しい事があります。」


「う、うん。」石崎真由はちょっと不安になって来た。


 多聞はピヨコラに動画を流した。



【いじめの実態】


 高校でいじめが行われていた事が発覚!!

 犯人も特定!!


 彼女が自分の友達A君を好きになった事から、いじめに発展。

 その彼女は言い寄られたと嘘をつきフラれた事も隠した。

 

 勝手な思い込みの腹いせに暴力は1ヶ月以上も続き、どんどんエスカレートしA君は骨折したが親が心配するからと我慢している。

 

 動画があり顔にボカシの無い状態でアップされている。


 いじめの張本人

  主犯 佐々木雅弘   加担した人 小池篤志


 さあ皆さんの手で制裁を加えて下さい。


 虐めていた君たち、動画はピヨコラだけに流したとは限らないからね〜ピヨ。


 1回目の告白以来ほとんどの生徒がピヨコラをインストールしている。


 明日にはアプリを持っている生徒に知れ渡るだろう。


 バイトで雇っているネット住民さんたちにちょっと批判をしてもらおうかね。あまり長くやるとこれもいじめになるから3日間だけ仕返し期間。佐々木君、小池君がんばれや。

 

 動画が配信されると学校で佐々木と小池は色々な人から批判をされ、帰り道でもボールやごみを投げつけられたり恐怖を味わっていた。自分達がいじめられる立場になり馬鹿なことをしたと反省していた。


 こんな事を俺は1ヶ月もやっていたんだ…。


 4日目もう何も気力が無くなったが、毎日知らない奴が迎えに来て学校に無理やり連れて行かれた。嫌だったが親に言うわけにも行かず仕方なくついて行った。学校へ入るとみんなに冷たい目で見られるのだが、今日は誰も俺の事を見ない。不思議に思っていたら、迎えに来た男に


「今日から虐めはないよ。」と言われそいつは帰って行った。


「本当なのか?」


 教室に入ると


「佐々木おはよう」と裕翔が声をかけて来た。涙が出て来る。


「ごめん、俺…。」


「俺はお前と同じことはしないよ。友達になるのはもう無理だけどお前はお前で頑張れよ。」


 裕翔はそう言って席を離れて行った。後で小池に聞くと


『ピヨコラで3日間限定で懲らしめたのでもう何もしないでください。何かした場合はあなたが虐めている人として全国に知れ渡るでしょう』と流れたらしい。


 石崎真由はお昼休みに体育倉庫に篠崎を呼び出していた。


「いい?打ち合わせ通りにね。」


「本当にやるの?」


「いいから!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る