第22話 いじわる
道重みのりは道具を体育倉庫に運ぶように頼まれていた。
いきなり弓道部顧問の吉田に「これ体育倉庫に持って行け」と言われた。断ったが箱を無理やり渡されて仕方なく行くことになってしまった。
「何なの!」ピヨコラに雅弘は制裁を受けすっかり大人しくなってしまった。
自分は勘違い女と言われてはいるが、自分は悪い事をしたとは思っていない。雅弘が勝手にやっただけだし。どう考えても篠崎は私の事を好きだったと思うけど。そもそもあいつなんかに私はもったいなかったからいいけど。
体育倉庫に着くと荷物を置いた。あれ?裏から話し声が聞こえる。こんなところに誰がいるんだろう。体育館倉庫の小窓から覗くと篠崎とあれは誰?後ろ姿だから分からない。
「好きなんだ付き合ってくれないか?」
「え、私?なんか前に誰かと噂になっていなかった?」
「あ、あれは勝手に俺が好きだと思い込ませてしまったみたいで、勘違いなんだ。」
「そもそも友達の彼女を好きになる事なんてないし、友達の彼女だから優しくしていただけで何とも思っていないから。」
「ピヨコラで名前は出ていないけどその子でしょ。」
「まあ、でも俺も勘違いさせて悪かったから恨んでいないよ。」
「そんな大怪我させられたのに?」
「まあ、頭には来たけどそれで気が済むならと思ってはいたんだけど、あまりにもエスカレートして来たからね。どこまでやれば気が済むのかわからなかったから。犯罪者にならないうちに止めてもらったんだよ。」
この人はなんて優しい人なんだろう。真由は篠崎があまりにも大人でびっくりした。
「彼女にも自分が間違っていた事に気がついて欲しいね。あ、ごめん告白の途中だった」と笑う。
あまりにも爽やかな笑顔でドキドキしてしまった。
「忘れてた」と笑い「篠崎君の事知らなかったけどなんか好きになりそうな気がする。友達からよろしくお願いします。」
「良かった。こちらこそよろしく。大切にします。」
「あの子がもし友達の彼女じゃなかったら好きになってた?」
「ん〜ないかも。俺、面食いだから。性格も悪いしね。自分が可愛いと思っている事自体が勘違いだしね。」
「え!!」そんなセリフ入っていなかったはず。
篠崎君が私の耳元に口を寄せ。「俺なりの仕返し」と呟いて笑った。
意外な一面にびっくりしてしまった。
「じゃあ後で連絡するから、先に帰ってなんか恥ずかしいから。」
「あ、うん。」篠崎君に言われなかったら忘れてた。
真由は体育倉庫から顔が見えないように校舎へ移動し、篠崎は反対方向へ歩いて行った。
立ち聞きをしていた道重みのりはショックで肩を落としていた。
篠崎君は全然自分に興味も無く可哀想だと思われていた事がショックだった。
「俺、面食いだから」という言葉にもショックで自分が可愛いと思っていただけに、何とも言えない気持ちになり一気に自信がなくなった。
あの告白されていた子は誰だったんだろう。友達からとOKしたからには可愛い子なんだろう。どんな子が篠崎君には可愛く見えるのだろう。ただただ落ち込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます