第20話 暴力
「わかりました。」自転車を掴むと走り出した。駐輪場を出て影に止めるとまた引き返した。『頼んだよ』って事は動画をとれって事だよな。
駐輪場から離れた入り口から中へ戻ると、さっきいた場所へ暗がりを使って戻っていった。先輩が地面に伏せさせられて後ろから蹴られている。携帯の動画で撮影し始めた。
酷い…なんで人にあんな事が出来るんだろう…出て行きたいがこれを終わらせるために動画を撮るしかない。可哀想で涙が溢れる…血が出ているのが見えた。このままだと本当に死んでしまう。動画も撮ったし助けを呼ぼう。まだ残っている店長に電話をした。
「店長、外で篠崎先輩が暴漢に襲われています。助けて下さい。駐輪場です。」
「は!わ、分かった。」
ドアが開き店長が刺股をもって飛び出してきた。
「お前ら何やってんだ!!」
「やべえ逃げろ」そう言うと3人は逃げていった。店長が出てきたのと同時に動画を止め先輩に駆け寄った。
「篠崎!!大丈夫か!」
「先輩大丈夫ですか!」
「まあ、どうにか…。でも上手く避けきれなくてちょっと腕がやばいかもしれません。」
「病院へ行こう。」
「海斗…撮ったか?」
泣きながら頷くと先輩は傷だらけの顔でニコッと笑った。
「でさ、店長が警察に言おうって言ったんだけど、言わなくて良いって知り合いだからどうにかするって言い張ってさ。」
「先輩の具合はどんな感じ?」
「左腕骨折、全身打撲、あとは擦り傷。入院はしないって何日か休んだら学校に行くって言ってた。でも本当は警察沙汰だよ。でもお母さんが心配するから階段から落ちた事にしてくれだって。本当に優しいんだよな。いくら何でもやり過ぎだよ。」
「動画は上手くとれた?」
「ああ、少し手ブレしてるけど駐輪場はライトもあったから顔もバッチリ。あとはこれをピヨコラに送らないと。俺アプリアンインストールしちゃったから、インストールしないと…俺、アプリの操作とかあんまり得意じゃないからさ入れなくていいやと思ったんだけどな。」
「俺が入れてやるよ。貸して。」
「お前こう言うの得意だよな。顔に似合わず。」
「顔に似合わずって何だよ。どう見ても引きこもり顔だろ。」
「なんか、ワザとそうしているようにしか見えないんだよな。似合ってないって言うか。」
「何言ってんだよ」相変わらず海斗は鋭い。わざとやっているのは確かだな。そうしておかないと何かを調べる時に別人に見えないと正体がバレるからな。ダウンロードし、使い方を教えた。
「ほらここに動画をアップすればいいんだよ。簡単だろ。」
「まあ確かに。じゃあ載せる。」
『受付完了。ありがとうございましたピヨ。』と表示された。
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