第19話 バイト先で
海斗は学校が終わると、バイト先のファミレスに来ていた。篠崎先輩はホール担当でテキパキと仕事をこなしていた。海斗もホールだったがさすがに先輩のようには行かず結構オーダーなどちょっとしたミスをすることがあった。
安い割にはボリュームもあり夕方から夜にかけて結構混雑することの方が多かった。
今日は珍しく人が少なく暇だったので、フロアの隅などを掃除したりして、普段できない事をやっていた。篠崎先輩は真面目でこっそりサボったりしないので見習わなければならない事が多い。
優しいし、かっこいいし、なんでこの人が虐められなくてはいけないのか意味がわからない。
「海斗悪い、今来た客対応してくれないか。関わりたくないんだ。俺しばらく調理場にいるから。」
入り口を見るとガラが悪そうな男2人が立っていた。制服がうちの学校だった…ああ、あいつらか先輩虐めてんの。
「わかりました。いいですよ」先輩は空手の有段者と聞いていた。あんなやつら倒せるだろうに…多少のことなら正当防衛になるのになぜやられたままなのだろうか。まあ先輩には先輩の事情があるのかもしれない。
俺の顔は割れていないだろうから面倒な事にはならないだろう。
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」返事がない。こいつらなんかムカつく。
「こちらへどうぞ」調理場が見えない、一番奥に案内した。
「ご注文がお決まりになりましたらタッチパネルの方からご注文下さい」と伝え席を離れようとした。
「ねえ、ここに篠崎って奴いない?」
こいつらいるの知ってて言ってるよな。
「おりますが今日はもう上がりましたが。」
「さっきまで居たよね。更衣室にいるんじゃない。俺ら友達だから呼んできてよ。」
「急用があるとかで急いで帰りましたのでもう居ないはずです。失礼致します」といい、その場を離れた。さすがにそのあとは聞いてこなかった。そいつらはなかなか帰らなかったので先輩はずっと調理場にいてもらった。閉店30分ぐらい前には帰ったのでホッとした。
「先輩帰りましたよ。」
「悪いなホール全部やらせて。」
仕事が終わり更衣室で海斗と篠崎は着替えながら話をしていた。
「大丈夫です。それにしてもなんかやな感じですね。先生とかに相談した方が良いんじゃないですか?」
「一応今ピヨコラにお願いしてるからどうにかしてくれると期待してるんだけどね。告発を受けましたって言ってくれているからあとはやってもらおうかと思って。」
「そうなんですね。村川のこともやってくれたからちょっと期待できますよね。先輩って空手やっていたんですよね。あいつら簡単にやっつけられるんじゃないんですか?」
「うーん。まあそうなんだけど。俺さ昔、友達助けようとして相手を大怪我させちゃってさ、一回切れると加減ができなくなるから手は出したくないんだ。将来俺さ警察官になりたくて、こんな事で暴力事件とか起こしたら自分がバカを見るだけだろ。だから我慢してるんだ。」
「そうなんですね。なんか大人ですね。ピヨコラが暴いてくれて先輩が安全になるまで協力しますよ。」
「ありがとう。助かるよ。じゃあ協力ついでにもしも俺があいつらに襲われたら海斗は逃げて、俺が何があったとしても証拠を残して欲しいんだ。動画を撮ってピヨコラに送って欲しい。」
「逃げるんですか?なんか嫌ですけど…先輩がそう言うなら仕方がないですが。そもそも何でそんな事になったんですか?」
「それは…あ、時間だし帰りながら話そう。」
「はい。そうですね。」
店長に挨拶をしてお店の外に出ると自転車置き場へ向かった。カゴに荷物を入れ自転車の鍵を外し漕ぎ出そうとしたその時いきなり後ろから蹴られて自転車の上に倒れ込んだ。
「お前いないって嘘ついてたよな。自転車があるからわかるんだよ。」
「いきなり蹴るって何だよ!お前らしつけえし最低なんだよ」自転車に倒れ込んだ時に足を強く打った…痛え。
「なんだこいつ生意気な口聞きやがって。」
「関係ない奴を巻き込むなよ。俺を探してたんだろ。早くお前は帰れ。」
「でも。」
「いいから…頼んだよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます