第18話 海斗の家へ
多聞は家に戻るとアプリのチェックをした。まだ動画は送られてきていない。今日はいじめられなかったのだろうか?
『カチャ』ドアの開く音がした。
「先輩遅かったですね。」
入り口に顔を向けると…
「え?」
「え?どうした多聞?」
「先輩後ろ…。」
「うわ!!!!!なんで?」
「付いてきちゃった。」
木佐の後ろに石崎真由が立っていた。
「木佐君全然気がつかないんだもん。」
「ふぅ…。」多聞はため息をついた。
会議室に石崎を通しソファーに座った。
「で、なんで木佐先輩に付いてきたんですか?」
「木佐君と多分…えっと名前教えてもらっていい?」
「相馬多聞です。」
「この前助けてもらった時の会話のやり取りを聞いて、木佐君と相馬君が知り合いなんだろうなって思って、誰がこんな人助けをしているんだろうって気になって。あとこれを返しに。」
石崎はテーブルの上に封筒をおいた。
「もらったお金は返すね。助けてもらった上にお金までもらえない。」
「お金は勇気代として渡していますから気にしないで下さい。それよりも俺と木佐先輩の事を誰にも言わないと約束してください。」
「それはもちろん言うつもりはないよ。でも…お願いがあるの。」
「お願い?」
「このピヨコラのチームに入れて欲しいの。私も困った人を助けたい。」
「気持ちはありがたいのですが、人が増える=秘密がバレやすいってなるんですよ。」
「でも女の人がいた方が便利な場合もあるでしょ。遊びで言っているわけじゃない。本当にありがたかったから力になりたいの。」
「気持ちはわかりました。後で連絡します。学校では何も共通点がないので木佐先輩はいいですけど、俺には話しかけないで下さい。」
「わかった。返事待ってるね。」
そして石崎はお金を置いて帰って行った。
「どうする?確かに人がいた方がいいけど。」
「それはそうですけど、そもそも先輩が後をつけられている事になんで気がつかないんですか!!!」
「だってヘッドホンで音楽聴いていたし…。悪かったよ。」
「この判断は状況を見て先輩に任せます。受けるんならちゃんと責任持ってください。まあその話また今度で。多分石崎先輩は言わないと思うからまあいいです。それよりも篠崎先輩の話をしましょう。」
「ああ、次の依頼ね。証拠のビデオ送って来るって言ってた。」
「今日の昼に体育倉庫に行ってみたんです。そしたら篠崎先輩がビデオカメラ持ってセットしている姿を見かけたんですよ。」
「じゃあ今日あたり送られて来るのかな。」
「そう思ってるんですけど。友達がバイトで一緒なので明日あたり聞いてみますけどね。」
学校に行くと海斗の姿が見えない…いつも俺より早いのに珍しいな。授業が始まる時間になっても海斗は現れなかった。
「今日は海斗は体調が悪くて休みだ」と先生が言っていた。メールを送ったが返信もないし、帰りに家に行ってみようかと考えていた所に木佐先輩からメールが来た。
「篠崎、今日なんか具合が悪くて休んでいるらしい。怪我とかした可能性もあるかもな。」
海斗も休んでいる。偶然だろうか?そんな都合よく一緒に休むわけない。絶対何かあったはず…帰りに海斗の家に行こう。
学校が終わるのを待ちきれずお腹が痛いと言って昼に早退した。海斗の親は共働きのはずだから、おそらく家で1人だろう。お菓子を買い込んで家へと向かった。
海斗の家は閑静な高級住宅街の中にある。塀が高すぎて中はどの家も見えない。海斗の親は医者だからわかるが、みんな何をして働いている人たちなんだろう。大きな公園の目の前…斜め前にポスト…あったあそこだ。
『ピンポーン』チャイムを鳴らした。反応がない…もう一度鳴らす。諦めかけた時、庭の入り口のドアが開いた。
中に入ると玄関から海斗が顔を出していた。
「なんでこんな時間に多聞がいるんだよ」笑っていたのでちょっと安心したがいつもよりも元気がないように見える。
「海斗がいないからつまんなくて遊びに来た。」
「なんだよ。サボりかよ。まあ入れよ。」
海斗の部屋は2階だ。階段を普通に上がっているように見えるが少し足を引きずっている。何かあったな。部屋に入るとジュースとお菓子を広げ座り込んだ。
「で、今日はどうしたんだよ。」
「いやなんかサボりたかっただけだから。」
「ふーん。じゃあなんで足引きずってんの?何があったんだよ。」
「口止めされてんだけど。多聞ならいいか…。実は昨日…」
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