第17話 篠崎先輩
多聞と木佐は次の告発の準備をしようとしていた所に3年C組の道重から告発のキャンセルのメールが入った。
「え、なんでだ?」
「そういえばこの前問い合わせが来てたな。この告発は幾らになるのかって。こんな事で告発するのが惜しくなったんですかね。振られたわけだし。」
「値段幾らに設定したんだ?」
「こいつに払う金はないから0円。だって自分が発端だし!篠崎裕翔の方はかわいそうだから10万にしするつもりだったんですけどね。」
「まあそうだよな。」
「じゃあ篠崎君の方だけの依頼という事で受けましょう。」
多聞は学校へ行くと篠崎がいつも殴られる場所として使われている体育倉庫へ行ってみた。周りは木に囲まれていて、ここならある程度の大きな声を出しても気がつかれないかもしれない。
「少し様子を見るか」
昼休みだったので倉庫の裏にあるベンチに寝転がり目を閉じた。良い具合に日が当たっていて気持ちがいい。
しばらくすると倉庫の方から音がしたのでいじめの奴らが来たのかと思い、倉庫裏から中を覗いた。
あ、篠崎先輩だ。手を見るとビデオカメラのような物を持っていた…隠し撮りするんだな。自分の虐められている所を撮るなんて嫌だろうな。自分でセットして自分で取るなんか可愛そうだな…。手伝ってはいけないと思いながらも可哀想になってしまう。
もし上手くビデオが撮れていなかったら?また次の機会に?その間打ちどころが悪くて死んだら?1人だと難しいよな。
「また木佐先輩に頼むか…。」
『ドン!』
いきなりベンチから突き落とされた。びっくりして振り向くとそこに海斗がいた。
「なんだよ海斗いきなり。」
「お前こそなんでいなくなるんだよ。昼飯1人で食えってか!」
「ああ、ごめん。」
「なんか最近よくボーッとしているけどなんだよ。悩み事か?」
「え、いや違うよ。夜更かししずぎて眠いだけだよ。」
「そうか。ならいいけど。」
海斗と会話をしていると目の前を篠崎先輩が通り過ぎようとした。
「あ、海斗。」
「こんにちは。」
「珍しいなこんな所に。」
「友達追いかけてきたらここにたどり着きました。」
「そっか。じゃあバイトでな。」
そう言うと先輩は歩いて行った。少しびっこを引いているように見える。
「多聞、あの先輩虐められてるって噂知ってるか?」
「いや、知らないよ。」
「あの先輩さ。バイト一緒なんだけど、たまにさ怪我してくるんだよ。あの人さ、すげえ優しくていい人で、片親だからバイトして苦労してるのにさ、虐められるっておかしいよな。」
「そうだな。そもそも虐めてる奴って意味わかんねえよ。単なる暇人としか思えない。自分にどんだけの価値があると思ってんだか。」
「珍しいな。多聞がそんなこと言うの。でもそうだな。助けてあげたいな。」
「ああ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます