第14話 気持悪!
「はいここまで。続きはまた明日。もう遅いから気をつけて帰るように。石崎、お前には少し話があるから残れ。」
「…はい」真由は少しぶっきらぼうに答えた。
急に椅子が動く音と、話し声でざわざわし出した。木佐は少しウトウトしてしまっていたが音で目を覚ました。
『やばい…寝てた。長すぎだよ…待ちくたびれた。』
10分もすると教室が静かになった。
カメラはちゃんと動いているのかな。木佐は毛布から顔を出して隠しカメラの方向を見る。赤ランプが付いていた。大丈夫だちゃんと動いてる…やばい緊張して来た。手が震える。静かに起き上がりいつでも出ていけるように体勢を整えた。
Kと多聞は美術準備室で息を潜めて小窓から隣の部屋を覗いていた。こちらの部屋は暗いのでまず分かるまい…こちらもいつでも出ていける準備は整っていた。
誰もいなくなった美術室に村川と石崎の2人になった。石崎真由はカンバスの前に座ったままで、何を言われるのか不安になりながら黙って待っていた。村川は部屋に内側から鍵をかけた。
「真由、携帯をならしちゃダメじゃないか」少しずつ村川が真由に近づいて行く。そして真由の真後ろに立った。髪の毛を触りながら話し始めた。真由は鳥肌が全身に出たが我慢していた。
「そろそろ先生を受け入れてくれてもいいよな。悪いようにはしない。今度の美術コンクールにお前を推薦してやる。俺は審査員と知り合いだから入賞も可能だよ。俺はお前が可愛くて仕方がないんだ。」
髪の毛を触っていた手が肩に降りて来た。さすがに我慢できずに真由は立ち上がり村川の正面に立った。
「先生。先生は私に何を求めているんですか?」
「別に何も求めていないよ。今まで通りでいい。でもコミュニケーションとして触るぐらいはいいだろう?」
「私が触られて喜んでいると思いますか?」
「嫌なのか?お前のためだぞ。歳を取ったら男に触って欲しいなんて思ってもらえないんだから今のうちだぞ。」
ひでえな村川最低だ。こいつ今までもこんな事して来たんだろうな。こいつは絶対に教師になんてしておけない。
「さあ近くにおいで気持ちよくさせてあげるから。」
「先生の気持ちはよくわかりました。私の事が好きで体を触りたいんですね。そして言うことを聞けば推薦すると言う話であってますか?」
「まあ、そう言うことだ。」
気持ち悪い…こんな人に絵を教えてもらうなんて私が可愛そうだ。人を馬鹿にして許せない。
「先生、じゃあキスしてあげるから目を閉じて」ちょっと甘えた声を出して少しずつ近づく。
「お、その気になったか。悪いようには絶対にしない。じゃあ目を閉じるよ。」
「恥ずかしいからギュッと目を閉じてね。」
「可愛いな。わかったよ。」
目をつぶったのを確認すると、木佐は物陰から顔をだし、真由を美術準備室の方に行くように促す。真由が村川を通り過ぎようとした所でいきなり手を掴まれた。
「どこに行くんだ?」
「嫌だ。離して。」
やばい!その瞬間木佐は飛び出し村川を蹴り飛ばした。村川が倒れた隙に真由は離れたが、指示された方向とは逆に逃げてしまった。
村川は起き上がり、凄い顔で睨んでいる。
「お前は誰だ?俺が空手の有段者って知ってて喧嘩をふっかけたのか?」
まじで!そんなの聞いてないぞ。多聞早く助けてくれ。
「そんなの知らねえよ。ただお前がセクハラしているのは確認したけどな。」
「誰かに言ったらお前をどうするかわからないぞ。いいのか?」
いきなり木佐は腕を掴まれ投げ飛ばされた。立てかけてあった生徒の絵の中に突っ込んだ。
「いてて!」
村川は木佐に近づき狸の覆面を剥がそうとして来たので必死に覆面を抑えた。
「おい!助けろよ!」
その言葉で美術準備室のドアが開き兎の覆面と熊の覆面をした黒づくめの2人組が現れた。
「おせーよ。」
「悪いね。証拠は多ければ多いほどいいかなって思ったんでそのままにしてました。」
「ざけんなよ。」
「まあまあ。」
その様子を見ていた村川は怒りをあらわにして、
「ふざけやがって、お前ら全員病院行きにしてやる。覚悟しろ」と殴りかかって来た。
木佐が殴られると思った瞬間、Kが村川の目の前に素早く現れ一発、鈍い音がして村川は倒れた。そのあとピクリとも動かなかった。
「え、こんなにあっさり?死んだのか?」
「死ぬわけないでしょ。気絶しただけですよ。」
「とりあえず、石崎さんを送ってあげてください。後はこちらで処理します。」
「わかった。石崎さん荷物もってここを出よう。」
「う、うん。」
2人が出て行くと多聞とKはカメラを回収した後、村川をパンツ1丁にし足と腕を縛り上げ
『俺はセクハラ最低男と書かれた張り紙をガムテープで体に貼り付け写真を撮った。服は焼却炉で処分するようにKに指示を出し帰宅した。Kには成功報酬として5万渡した。
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