第8話 信じたくないけどやっぱり…


 ブランコに揺れながら爽平と多聞は話をしている。



「そして悪い点をとった次のに日森川の下駄箱に名刺が届いた。


 そこには『テストに困った人へ 救世主に相談できます』と書かれ、電話番号が書いてあった。初め捨てようと思ったが何となくカバンにしまったらしい。


 その後の2回目の小テストでも全然いい点が取れなくてその名刺の電話番号に連絡したらしい。その内容は小テストの問題をタダで教えてくれる。それが気にいったら中間のテストも有料で教えると言う内容。1教科10万円。100点取ったら怪しまれるから気をつけるようにと注意までされてね。そして森川はその言葉に見事に乗ってしまったんだ。」


 そこまで言い終わると木佐は持っていた水を飲んだ。



「俺はあまり詳しい話は聞かされていないんだ。隼人が言いたがらなくて。でも名刺の件と森川のテストの件は教えてもらったから、とりあえずそんなことをしている犯人を捕まえようと協力していたんだ。」


「じゃあ森川さんと何があったかは?」


「それは分からないんだ。ただ隼人とやった事はテストの点が悪買ったと聞いた奴の下駄箱を見張り名刺を持ったやつの後をつけた。


 しばらくつけ回すと駅のナンバー式のロッカーにたどり着いたんだ。そしてA4ぐらいの封筒を鞄に入れ立ち去るのを見届けたんだ。


 小テストでそいつはいい点をとり、その後継続して見張っていると袋を取り出した同じロッカーに何か小さい鞄を入れたんだ。


 そしてそれをとりに来た人物がロッカーを開け荷物を取り出す。


 そのまま後をつけると手に荷物を抱えていたものを持ちコンビニへ入っていき、宅配を送る手続きをしている。住所を書いている時によろけてぶつかるフリをして住所を見ると配送先は二つ先の駅の千川局留めだった。


 多分金を受け取ると本当のテストがロッカーに入れられるんだろう。それを受け取りテストを受ける。そして自分で調整してテストの点を取り過ぎないようにして、勉強して上がったかのようにするんだ。


 隼人とロッカーに来た人物をの後をつけて1人になった時に話を聞いたんだ。


 競艇場で負けて質屋に入ろうとしたところで女の人に呼び止められバイトをしないかと言われ、ロッカーの番号を渡され言われた通りにしただけだった。人相を聞くとお金をもらったし言えないと言われ拒否され逃げられた。


 次は期末テストでこれこそ商売になる。また下駄箱で監視していると、女の子が名刺を持っているのを見た。そして後をつけるとゲームセンターの中に入っていった。中に入り見張っているとオンラインゲームをしているようだった。しばらくすると受付に行き何かを話し、封筒みたいなものを受け取って帰って行った。


 あれは多分、小テストの答案用紙だろう。大体の受け渡しのパターンはわかってきた。テストを自由に持ち出せると考えると学校の関係者である事は間違いないと思う。


「学校関係者→名刺を下駄箱に入れる→電話で受け渡し指示→小テストを受け取る(多分この時に次の連絡先が書いてある可能性がある)→ロッカーで金の支払い→金に困り雇われた奴が金が入っているのを知らずに小包を局留めで出す→金を受け取るとテストをロッカー経由で渡す→本人に渡る。まあざっくり言うとこんな感じになる。」


「高校でこんなことが起きているなんて信じられないですね。」


「そうだね。俺も実際見ていなかったら信じてないと思うよ。隼人は俺を巻き込むのを嫌がってあまり話してくれなかったんだ。隼人はもっと色々なことを知っていたはずだ。だから殺されたんじゃないかと俺は思っているんだ。自殺する原因が無いしね。」


「それは警察に言った方が良さそうですね。」


「俺が何か言ったところで証拠が無いんだ。何か部屋にメモとか残っていないか調べてもらう事は出来る?」


「わかりました。探してみます。」


「今日のところはこの辺で。また話をしてもいいかな。」


「はい。いつでも。」


 

 兄貴がそんな事に巻き込まれていたなんて全然知らなかった。そもそもそんな事が起きているなんてビックリだった。その話が本当ならどう考えても殺されたとしか思えない。

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