第9話 兄貴のメモ


 家に戻ると多聞は隼人の部屋に入り引き出しなどを探ってみた。ノートなども一冊ずつめくり確かめていく。その中にはアルバムもあり、めくると彼女と出掛けた時の写真などが入っていた。


「結構、美人だなこの人。でも眼鏡をかけて髪の毛を縛っていると別人だな。葬儀には来ていなかったよな…彼女なのに…。」


 兄貴すごく幸せそうにしている…なかなか家では見れなかった優しい笑顔で笑っている。


「こんなデレデレ顔もすんじゃん。」


 一番最後までめくった時に何かメモが挟んであるのに気がついた。写真を置きメモを開いた。


「中村  男  脅す  ホテル  …」


 中村?これが犯人の名前なのだろうか?他にもあるかと探したが何も出て来なかったのでアルバムを戻し、メモだけ持ち部屋をでた。


 後日、木佐さんに連絡を入れると会って話そうと言われ、また同じ公園で待ち合わせた。そしてこの前見つけたメモを渡した。


「中村  男  脅す  ホテル?」


「脅すが入っていなかったら気にしなかったかも知れないんですが、脅すと言う事は何かテストの売買に関連しているのでは無いかなと思ったので。」


「そうだね。多分関連しているだろうね。中村…学校に確か中村って3人いた。2人は男で教師、1人は女で事務、3人の内の誰かが絡んでいるのかも知れない。男って書いてあるって事は教師の2人が怪しいかも。調べてみるよ。」


「協力者になりそうな人はいますか?兄が殺されたって事は、木佐さんがこのまま探ってもし真相を突き止めたら今度は木佐さんが殺されるかも知れないんですよ。危ないです。」


「そうかも知れないけど、何か悔しいじゃ無いか。少ししか一緒にいられなかったけど俺あいつ大好きだったんだよ。今こうやっている間にも誰かがカモにされてるんだろ。ふざけんなよ。」


「悔しいのは俺もそうです。だから俺も黙っているつもりはありません。」


「じゃあ、一緒に犯人を探さないか?」


「もちろんそのつもりです。でも木佐さんも兄のように殺されたら嫌なんです。だから俺はある事をして犯人をあぶりだそうと思います。」


「あぶりだす?どうやって?」


「俺は今引きこもりに近いです。だから親は俺の事は諦めて兄貴に全て期待していたんです。でも本当は引きこもっていた訳ではなくアプリの開発とかをやっていました。親には言ってませんが結構それで儲けています。木佐さんドラゴンシューティングってアプリ知ってますか?」


「あの有名なゲーム?もちろん知ってるよ。全世界で流行ったよね。」


「あれ開発したの俺です。」


「え!まじで?嘘だろ。それって…働かなくても困らないぐらいお金儲けてるよね。」


「まあそれなりに…。兄が好きだったので両親と一緒に暮らしてましたが亡くなった今、俺はもう暮らす意味も何も無いんです。だからこれから一人暮らしをして、あるソフトを開発します。俺が来年春咲高校へ入学するまで木佐さんは無理しないでください。


 ただお願いがあるのは中村3人のできる限りの情報と下駄箱に名刺を入れられた生徒の名前のチェックはお願いします。」


「なんかすごいね。わかったよ。協力できる事はするから言ってくれ。」


「はい。お願いします。」


 そして多聞は約束どおり高校へ入学した。そして6月、行動を開始した。




『さあゲーム開始だ。』

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