ソーシャルメディアの生存関係——Twitter、Instagram、TikTok⑥

 本稿ではTwitterとInstagram、そしてTikTokという三つのソーシャルメディア上におけるユーザーのコンテンツ生成とそのうえで形成される独特の文化様式について論じることで、TwitterとTikTokにおけるユーザーの使用状況がどのように異なっているかを論じてきた。本稿ではその理由について、2000年代の2ちゃんねるの文化を継承するTwitterに対してTikTokは自身の匿名性を確保しない点において大きな違いがあり、その違いが生じた起点には2010年代にかけて生成されたInstagramから始まった様式が大きな背景にあると結論付けた。Twitterは旧来からのネット文化を継承したものであるため、旧来からのアングラ・サブカル的なネット文化の側面も継承している。その一方で、Instagramで生じたのは有名人インスタグラマーの投稿を模倣した形でのコンテンツ生成であり、それはアングラ・サブカル的なネット文化とは全く逆のメインカルチャー的なコンテンツであると言えるだろう。この点において、アングラ・サブカル的ネット文化を有するTwitterユーザーは自身のことを「陰」と称し、一方でTikTokやInstagramのことを批判的に捉えている。


 しかし、一方でTwitterが本当に「陰」であるかについてはより慎重に検討する必要もあるだろう。Twitterにおけるユーザー文化はそのルーツを2ちゃんねるに見出すことはできるものの、10年以上の蓄積によって当初のアングラ・サブカル的ネット文化は少しずつ変化している。米大統領ドナルド・トランプのツイートがマスメディアで注目されるように、個別のツイートが政治的プロパガンダとして多くのマスメディアで取り上げられる今日のTwitterは、もはやアングラ・サブカル的なネット文化という一言では済まされないほど大規模なものとなっている。したがって、Twitterにおけるユーザー文化の詳細な変化についての十分な考察をすることが必要になるだろう。この点については今後の課題としたうえで、本稿を終えたい。

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