血と暴力の世界の中心で、オオカミが愛を叫ぶ――傑作ヒーローアクション!

 とてつもない面白さでした…!!

 スリルとサスペンスにあふれたドラマ、手に汗握るバトル描写、敵味方共に生き生きとしたキャラクター達と、この作品の魅力は枚挙にいとまがありません。

 その中でも一番の魅力、この作品をこの作品たらしめているのは、やはり主人公のラッカ=ローゼキだと思いました。

 ラッカが正義のヒーローをする理由はシンプルで、自分の仲間、特に想いを寄せる刑事・トーリのためです。
 そのストレートさが、この作品の力強さの源になっていると思いましたし、個人的にすごく好きでした。

 この作品では、モラルが揺さぶられる場面が少なくありません。
 外道な行いに手を染めるのは敵だけではなく、同じくらい醜い人間も描かれます。
 個人がどんな善い信念を持っていたとしても、あっけなく暴力の犠牲になります。
 流血の果てに、結局正義や倫理なんて力の強弱の前では無意味なんじゃないか?とさえ思えてきます。

 そんな世界で、ラッカは最後まで「トーリのため、仲間のために」戦います。

 彼女の正義感、価値観は愛する人や仲間のため、という地に足の着いたところから生まれてるんですよね。
 だから、どれほど残酷な世界でもブレない。むしろ、残酷で、全ての価値を相対化するような世界だからこそ、より一層ラッカの信念が輝く、そんな感じがしました。

 素敵な作品に出会えて良かったと思えました!!



(以下、25/2/5追記)

 読み直しながら、私的ベストバウト5を考えていました。どこに需要があるかは分かりませんが、胸の内に秘め続けるのは勿体ないというか、他の方と共有したくなったので、レビューコメントに追記させていただきますm(_ _)m!


第5位:イズナ vs カーナロア=ニウド(第8話 VS夜牝馬後編)

 イズナというキャラクターがすごい好きなんですよね!クールなようで実は感情豊かなところとか。
 この戦いではイズナの能力・隠密型が封じられる展開になりますが、最終的に根競べの頭突き対決で勝利します。この、「やれることの底が見えたときに現れる底力」というのが、キャラクターの魂を感じて個人的にグッときました!


第4位 トーリ&チトセ vs センチャ&マジ(第16話 VS遊園狂後編)

 敵のキャラの面白さもあるのですが、共闘に入る前のトーリとチトセの言葉の応酬がクールでした…!
 チトセの闘い方良かったですね!能力は分散型なので一対一の戦闘では使えない代わりに、機転を利かせてオブジェクトをうまく使い、相手の判断を狂わせ、不意打ち的に部分獣化で攻撃…と、すごいクリエイティブな立ち回りで惚れました。


第3位 ラッカ(&メロウ=バス)vs クイーン=ボウ(第14話 VS南瓜頭後編)

 ラッカのバトルでvsクロネコの次に好きなのはこれでした!
 監獄の廊下というクローズドな空間での決闘、というビジュアルがもう、好きです。ある意味では「檻に入れられた二匹の猛獣が戦っている」ようにも見えてきますよね。
 クイーンの廻天型がまた格好良い。脳内で映像化するたびに圧倒されます。(VS黒獅子編の、羽田空港での『廻天』とか!!)
 ピンチに陥ったラッカのもとに駆け付けたメロウ=バス、本当にいい仕事をしますよね。こういう飄々とした態度でばっちり活躍するキャラ、大好きです。

 余談ですが第5位、メロウ vs デカポッタ=マキュラにしようか迷いました。メロウの台詞回し(「自分の型が戦闘向きじゃないとは言ったけど、別に俺自身が戦いに向いてないと言った覚えはないっすよ?」とか)が大好物だったのですが、「根性と底力が見えた」感でイズナにさせて頂きました。
 

第2位 渡久地ワカナ&ギボ=ジンゼズ vs クロネコ(第19話 VS摩天楼後編)

 位置付け的にはクロネコの幻想を高めるマッチアップなんだと思うのですが、内容が凄かった!『テネット』と『チェンソーマン』をMIXしたようなすごい映像が脳内に流れてました。
 ギボの逆行型の応用が良かったですね。銃弾の順再生・逆再生で弾幕を張るだけでなく、クロネコが爆破した建物も逆再生して攻撃に利用したのが個人的にめちゃくちゃ格好良いと思いました!


第1位 ラッカ vs クロネコ(第21~23話 VS黒獅子)

 作品全体を象徴するバトルでした…!!まさにスーパーヒーローvsヴィランでした。
 思えばここに至るまでずっと、この二人が衝突するまでの布石が丁寧に敷かれてたんですよね。ラッカの格好良さ、魅力は上述の通りですが、彼女と対照的に描かれたクロネコというキャラも、残忍さ、狡猾さ、どこか倒錯した思考と、悪役として本当に素晴らしかったですね。
 そして高められた期待を超えてくるような、死力を尽くした戦い!!最高でした!!
 戦場になった東京という空間をうまく使って、スタイルや舞台がスピーディに展開していくところが良かったです。一対一の肉弾戦、過去に倒した獣人を蘇らせてのボスラッシュ、楽器を使っての殴り合いに、最後は虚数空間で、作品世界の根幹に関わる存在の前で決着。
 まさに名バトル、ベストバウトでした。

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