第31巻(幼稚園の)

 幼稚園のおゆうぎ会で、みんなで魔女になったんだよ~。

 いいでしょ~。

 えへへへ。

 

 服のうちがわに、布地でつくった白いタマゴをかくしておくんだよ。それから

「パッとお手々をた~たいたら~」

って歌いながら、服のうちがわからタマゴをサッと取り出すの~。

 ママたち、みんな

「ワオーッ!?」

って言っておどろいているよ。

「ブラボー」

って言って、めっちゃ手をたたいている。

 衣裳も魔女の可愛い服。

 ナオミンママとあやめっちに作ってもらった。

 ふたりとも、服をつくるの、めっちゃ好きみたいだし、それから、めっちゃ上手なの。


 幼稚園、面白いから、行くの大好き。


 わたしは、幼稚園に行くと、いつも砂場で、お城をつくったり、砂場に向かって走って、ピョ~ンッて飛んだりしている。

 ひとりで飛んでても、なぜだか、めっちゃ楽しいんだよ~。

 なんでなのかな~って自分でも思ってる。

 きっと飛ぶの、大好きなんだ。


 渡り廊下を歩いていくと、いつも可愛いパン屋さん来てる。

 わたしは、そこで、丸くてやわらか~い可愛いパンと、アーモンドの形をしたパンを買って食べている。


 わたしはパンを食べるのを楽しみに幼稚園に行ってるようなところもある。だから

「いつも家で食べさせてないみたいやないの~」

って、2人のママたちも言ってるけど、家では食べたことない美味しくて、かわったパンなんだ。

だから、幼稚園に行くのもめっちゃ楽しみなんだ。


 幼稚園で、しおりちゃんっていう女の子と仲良しになったよ~。

 しおりちゃんは、いつも

「ミクちゃんの、およめさんになる~」

って言ってくれている。

きゃあああ!

 しおりちゃん可愛い。

 将来、ほんとに結婚するのかな~って思っている。


 家にしおりちゃん、いつも遊びに来てくれる。

しおりちゃんの近くにいると、めっちゃハイテンションになっちゃう!

「しおりちゃん来ると、めっちゃ元気になるんやから~」

ってママにも、いつも言われている。


 空飛ぶミニカーで遊んでいると、しおりちゃんも、いっしょに、それを見て飛び跳ねてくれている。


 それから、家で、宝さがしゲームをしおりちゃんとする。

 わたしは最初に、家のどこかに、自分のちっちゃな宝物をかくしておく。

 かくし終わったら、しおりちゃんは、その宝物を家中、さがして、見つけていく。

みごと、見つけられたら、その宝物は、しおりちゃんのものになる!


 そのあと今度は、しおりちゃんの宝物をかくす番。

 それを見つけられたら、しおりちゃんの宝物は、わたしのものになる~っ!



 わたしは泳ぐのめっちゃ好き。

 くーりちゃんも水泳得意。

 だから、わたしはくーりちゃんとプールや海に行って、いっしょに泳いでる。

 くーりちゃんに泳ぎを習ってる。

 くーりちゃん、めっちゃ厳しいからなー。

 ふだんは可愛くて面白くて優しいんだけど。

 水泳となると、わたしにも、めっちゃ厳しい。


 あやめっちは、背泳ぎ大好き。

 ゆっくりのんびりスイスイ背泳ぎを楽しんでる。

 くーりちゃんは、スピード重視。

 めっちゃ速く泳ぐ。

 わたしは、くーりちゃんと、あやめっちとの中間くらいかなー。



 わたしも絵を描くの大好き。

 あやめっちとナオミンとの子どもだからかな?

 あやめっちもナオミンも美術大好きだから。

 パイシー海で、ピンクゴールドの可愛い船に乗って、空へと舞い上がった時には、わたしも空からの風景画をいつも描いてるよ。

 しおりんも絵を描くの好きだから、いつもいっしょに描いてるよ。



 しおりんとショッピングモールに行ってみた。

 2階の本屋さんにでも行こうかな〜。

 いつもなら、2階には階段で行くけど、今日はエスカレーターで。

 エスカレーターでスイーッと2階に到着!


 そしたら、いつものショッピングモールの2階のはずなのに、なぜかジャングル。

 草木いっぱい生い茂ってる。

 草木や土の匂い。

 ジャングルの飾り付けなのかな〜って思って、しおりんと手をつないで、1歩踏み出したら、そこはジャングルだあ。

 うしろ振り返ったら、エスカレーターないわーっ!


 なんだここはー?異世界に来ちゃったのかもー。

 でもまあ、好きなしおりんといっしょだから、ジャングルでもいいやっ!


 と思ってたら

 ヒュンッヒュンッ

 ヒュンッヒュンッ

て気配を感じた。


 うわっ、くるみちゃんみるくちゃん?!


 「ミクちゃん、しおりん」

くるみちゃんかみるくちゃんの声だけ聞こえる。


 え?

 え!


 「キミたち、1日のうち、1秒だけ、異世界へと行っちゃう、その時間のスキマにはさまっちゃって、異世界へと来ちゃったんだよ〜」

って、くるみちゃんかみるくちゃん言ってる。


 えー?!

 ほんとー?!


 「キミたち、まだ幼稚園だから、うちらにつかまっててね!もとのマッチャマのショッピングモールに帰してあげるから」


 「もっと、おっきくなったら、異世界も冒険してみてね」


 ヒュンッ

 ヒュンッ

て、くるみちゃんみるくちゃん、姿をあらわした。


 うわっ♡くるみみるく♡


 わたしはくるみちゃん、しおりんはみるくちゃんにつかまって


 ヒュンッヒュンッ

て、空間を飛び越え、もとのショッピングモールに戻れた。


 「「バイバ〜イ」」


 「「バイバ〜イ」」


 いつか冒険に行ってみようね♡♡

わたしとしおりんは約束のチューをした。


 


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