第30巻(わたしはミク)

 わたしはミク。

 マッチャマで生まれたよんっ♡

 ママはマッチャマの街の商店街で呉服屋さんをやっているナオミン。

 そして、パパは、小学校の先生をやっている、あやめっち。あやめっちもママみたい。

 だけど、わたしはナオミンママから生まれたんだよ〜♡


 わたしはマッチャマの幼稚園に通っているよ。


 マッチャマは城下町。

 小高い丘にマッチャマ城。

 夜はライトアップされてて、めっちゃきれいに輝いてる。


 マッチャマ城のお姫様であるユーリ姫とミユちゃんは、可愛いキャラクター大好き。

 マッチャマのマスコットキャラクターは、ミカンのミッキャン。



 日曜日、マッチャマ美術館に向かって、ナオミンママと、あやめっちといっしょに歩いていた。

 空を見上げたら、ビュンビュンと、いくつもの飛車、飛んでいる。飛車...つまり、空飛ぶ車。


 ナオミンもあやめっちも、空を見上げて

「うわ~!こりゃまた派手にビュンビュン飛ばしてるな~」

って言っている。


 そしたら、横に赤ちゃんを抱っこしたママさんも歩いていて

「うちらのいた時代には、まだ、こんなにビュンビュン空飛ぶ車、飛ばしては、いなかったですからね~」

って、話しかけてきた。


「ほんとですよね~。車は、まだ空はちょっとしか飛んでなかったですからねっ。自転車で空を飛んでましたけども...」

ってナオミンも答えている。


「わたしらの頃には、背中の羽で、自分で空を飛べてましたけどね...」

って、赤ちゃんを抱っこしたママさんは言ってるよ。

「「そうですよね~」」

ってナオミンとあやめっちは答えてる。


「えっ?...てことは、おふたりも、何百年か前の時代から、今の時代に来たってことですか?」

って、赤ちゃんを抱っこしたママさんは、うちのナオミンとあやめっちに聞いている。


「「そうなんです」」

って、ナオミンとあやめっちは答えている。

「ミクは、今の時代に生まれたんですけどねっ♡」

ってナオミンママは、わたしの頭をナデナデ。


 そのママさんの背中にも、きれいなイエローな羽を持っている。


 わたしのママたちにも、背中に、めっちゃきれいな羽、生えている。いつも、可愛くてきれいだな〜って思って、ふたりの羽を見てる。

「ミクにも、もしかしたら、そのうち、可愛い羽、生えてくるかもねっ」

ってママは、わたしに言っている。


 ミクの時代の人には羽ないからね。昔の時代の人の画像で、その頃の人の背中に生えてるきれいな羽、見ることできるよ。めっちゃきれいな羽。

 でもナオミンとあやめっちには、虹色とピンクの可愛いきれいな羽あるんだよっ。



 今のミクの世界には、いろんな時代の人たち、同時に存在しているんだな〜って思った、わたし。


 ママさんと別れて、マッチャマ美術館にママたちといっしょに行った。


 美術館に入ったら

「香絵ちゃん、おひさしぶり~」

って、あやめっちは、マッチャマ美術館学芸員の香絵ちゃんに言っている。


「あら?あやめっちやないの~。おひさしぶりやね~」

「ほんまやね~」

「ナオミンも、こんにちは~」

「こんにちは~」


「ミクちゃん、いくつになったの?」

「4つだよ~」

「もう4つなのか~」

「幼稚園だよ~」

「もう幼稚園に行ってるのね~」

「そうだよ~」


 そのあと、美術館で絵を観てまわっていた。

「あーっ!ミユちゃんだーっ!」

マッチャマのお城のミユちゃんも、美術館に来て、絵を観ていた。


 ミユちゃんも、わたしに気付いて

「あーっ!ミクちゃんも来てたのかあ」

って言って、わたしのところに走って来た。


 ユーリ姫もいっしょだ。

 あやめっちとナオミンとユーリ姫は、3人で

「「「こんにちは~」」」

って、あいさつしてる。


 そしたら、美術館の中で

 ヒュンッヒュンッ

 ヒュンッヒュンッ

て、人の走り回ってるような気配を感じた。


 あ〜、くるみちゃんとみるくちゃんだな〜。

 くるみちゃんもみるくちゃんも、わざと

 ヒュンッヒュンッ

 ヒュンッヒュンッ

わたしのまわりで、やってるんだよね〜。

 ほんとは忍者だから、気配を消すのは簡単なのにねっ。

 わざと、わたしに気配を感じさせるように

 ヒュンッヒュンッ

 ヒュンッヒュンッ

て、ふたりで、わたしの回りでやってくれてるんだっ。

 でも忍者だからか、姿はあらわさないっ。

 天下無双最強双子くるみみるく♡♡


 でも気配を感じてるのは、わたしだけなのかも。

 なんとなく、あやめっちとかも、わかってるみたいなんだけどね〜。



 「あ、あやめっちの絵だあ!」

 あやめっちの中学生の時に描いたマッチャマ城とマッチャマの街の風景画。

 中学生絵画コンクール金賞。


 「あやめっちの、このマッチャマ城とマッチャマの街の風景画、大好きなんですよ〜」

ってユーリ姫も言ってる。

 わたしも大好きなんだよね♡あやめっちの、このマッチャマの風景画。


 ユーリ姫の時代からの、中学生絵画コンクールの歴代金賞絵画は、このマッチャマ美術館に代々展示されてきてる。

 あやめっちの風景画いちばんカッコイイな〜。

 ミユちゃんも、あやめっちの風景画、大好き〜って言ってくれてる。


 「よしっ、みんなでミカンパフェでも食べに行くか〜」

って、あやめっちも言ってる。





 

 







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