#19 近況
2025年の6月が終わろうとしている。
去年の11月に新卒入社した会社を退職したときは、台湾留学へ行こうと考えていた。今でもその気持ちはあるのだが、弱まっている。12月から準備を始めた個人の楽器販売業、半年やってみたけれどどうやらこのまま進めても私は大金持ちになるわけではなさそうだ。けれど、充足した日々を送れるだけの金は稼いでおかねばならない。会社組織にいた頃の自分も好きだけれど、貯金を切り崩しながら、基本一人で生きている自分もいくらか好きだと気づいたので、なんだか会社員に戻ると言うことが想像できない。
去年の夏から通っていた中国語教室を退会した。正確には契約期間が残っているから8月末までは授業を受ける権利があるのだけれど、もうその教室で勉強するモチベーションはなくて、2ヶ月分の授業料3万円を無駄にすることになると思う。3万円を稼ぐのは大変なのに、僕はバカだ。中国人の先生に教わっていたけれど、それを辞めたくなった。元々台湾への興味から中国語を学び始めたけれど、将来的にビジネスで中国語を使う可能性も考えて大陸の発音や言い回しを含んだ北京語を勉強し始めたけれど、学ぶことに愛が感じられない感覚があった。原点に立ち返ると、台湾で人と話したいと言う気持ちがあるのだから、台湾人の先生に台湾華語を教わるのがやはり良いと考え直した。2ヶ月ほど前に台湾華語専門の教室の体験レッスンを受けていて、その教室に入り直そうと思う。それでも私のモチベーションが続かなかったら、私は中国語を話す必要のない人間だと言うことなんだろうと思う。でもきっと、その教室で楽しく学べるだろうと思っているし、その先には台湾留学が待っていると思っている。思い返せば、身近な台湾人の知り合いは多いけれど、友達と呼べる人はいないのかもしれない。気軽い連絡して会いに行ける友達、、、さらに思い返せば、日本人でもそんな友達は多くない。私は誘われることが多いのだ。自分から誘うことはほぼない。他人の正の走性を刺激するスタイルで生きてきたのだ。もしかしたら、この性質を変える必要があるのかもしれない。なるほど、試してみるか。
数日前、去年辞めた会社の元上司から飲まないかと連絡があった。会いたくなかった。そこで気づいた、会社が嫌いだった。稼ぐことが価値判断の中心にあるから、嫌いにならないようにしていたけれど、やはり嫌いだったのだ。連絡をくれた元上司のことは人間的に面白い人だと思っていたから、会いたくても良いのに会いたくないのだ。仕事が嫌いだったと理解するほかなかった。適当な返事をして、相手に返信させにくくして、難を逃れると言う小賢しい手を使ってしまった。
一年近く通った中国語教室を辞めたこと、元上司への連絡を粗末に済ませたこと、この二つのよって私の過去が今の私に反撃している。過去の否定はなかなか重力を持っていて、重めの足枷になっている。次の一手、次の一歩のためにこの文章を書かなくてはいけなかった。この文章を書いて、いくらか楽になった。
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