第38話 【復活】
「それで、君は、ご両親と一緒に住んでいるのか?」
浦ノ崎の家に戻った後、万九郎は、聞きました。
「両親とも、私が中1のときに、交通事故で死んだわ」
「そうだったのか。すまん」
「いいのよ。私の中で、とっくに悲しみは解消してる。慣れてるから」
「慣れてる?」
「ここに松浦って人たちいるでしょ。あんな風に、無駄に長い時間を、無駄に生きることはしない。数えることができない、本当の意味で無数の転生を経て、今の私に、なっているからよ」
「転生・・?」
「日本人なら、別に驚かなくてもいいハズよ。そうやって、無数の人生を經驗する方が、最後の真実に到達する効率がいいのよ」
万九郎は、亜州香が言っている内容の、あまりの途方もなさに、言葉が出ません。
「あと、私を呼ぶときは、『アスカ』にして。その方が、本来の名前であるAskaに、発音が近くなるから」
「アスカ」
「そう。ほかの人たちに紹介するときも、アスカはカタカナで、よろしくね」
「分かった」
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「今、佐世保では、何やってるんだ?」
「佐世保中央病院の、外科医よ」
「なんか、凄いな」
「親が早く死んで、なんとかアルバイトで凌いでたけど、大学は一応、身内のアパートを借りれるから九大にしたわ」
「九大医学部卒ってことか」
「そう。こんな、くだらない話はやめて、夕食にしましょう。カマスの一夜干しを持ってきたから」
「お、おう!」
「カマス」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
カマス(魳、梭子魚、梭魚、魣)は、スズキ目サバ亜目カマス科(学名:Sphyraenidae)に分類される魚類の総称。カマス科はカマス属のみ1属で構成され、オニカマスなど少なくとも21種が記載される[1]。バラクーダ(Barracuda)という英名でも知られている。秋冬時期のカマスを特に「霜降りカマス」という。
とにかく、カマスは一夜干しで、とても美味しい魚なのです。
味に品があり、北海道のホッケより美味しいです。
鮎はしょせん川魚だから、珍重されているだけです。
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食事の後は、各々風呂に入って、今は寝る前です。
「万九郎は2階で練るんでしょ。私は、ここに住んでて、もう死んだお爺さんのベッドを使うわ」
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翌日、軽い朝食を済ませると、アスカは言いました。
「佐世保に帰るんでしょ。パジェロに同乗するわ」
「まさか、それ考えて、佐世保からテレポートしたのか」
「当然でしょ」
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こうして、万九郎はアスカと一緒に、現役に復帰することに、なったのです。
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