第21話 【メーデー】
「メーデー!メーデー!」
メーデー(Mayday)とは、無線電話で遭難信号を発信する時に国際的に使われる緊急用符号語。フランス語の「ヴネ・メデ(venez m'aider)」、すなわち「助けに来て」に由来する[1]。一般に人命が危険にさらされているような緊急事態を知らせるのに使われ、警察、航空機の操縦士、消防士、各種交通機関などが使う。「メーデー呼び出し」は、雑音が強い状況で似たような言葉と取り違えられることを防ぎ、また実際の「メーデー呼び出し」部分と「メーデー呼び出し」した通信メッセージ内容とを区別するため常に3回繰り返す(メーデー、メーデー、メーデー)ことになっている。
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「緊急事態。ナオコ!」
「関係各所、並びに組織、機関、研究所の皆さん。至急避難してください!」
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原因は、全く不明。
憶測だが、特定の対象を気化する何か目に見えない微粒子が、どこからともなく漏れ出して、あっという間に広まった模様だ。
男たちは、みるみるうちに全身が溶け出して、あっという間に気化する。
それに対して、女たちの反応は、微妙だった。
「そんな!尾名似(オナニ)君。好きだったのに」
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最初は誰も、気付かなかった。
あれほどの副作用が、この世に存在するなんて。
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「暑い」
そう言ったのは、内科医の吉田美香だった。
「暑い」
やがて誰も彼もが、同じ症状を訴え始めた。
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一人、また一人と、女たちは服を脱いでいった。
最初は上着。そして、マイクロミニのスカート。彼女たちは、完全にエゲツナイ下着姿になって行く。
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「もう我慢できない!」
そう叫んだのは、看護婦たちのチーフの一人、ミナエだった。
ブラジャーとパンティーを一気に脱ぎ、全裸になったのだ!
脱衣!
女たちは、誰もが妖しい予感を感じていた、
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女たちは、続々と続いた。
全裸!
身に付けているものは、嫌らしく光沢を放つ、パンプスかパンティーだけ。
女達は、次々に、デスクや、患者室にいるものは、ベッドに、仰向けに倒れ込んで行った。
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地上60階の、佐世保の総合病院の精神科病棟。その21階に万九郎はいた。
「何なんだ、これは?」
看護婦さんたちが、みんな素っ裸になってやがる。
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女達は、もう耐えきれず、入浴を始めた。
「まさか、こんな事になるなんて!?」
ユカリは、呟いた。
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世界的に有名な、動画投稿サイト。
そう、言うまでもなくYouTubeである。
そこに、とんでもないものが、投稿されていた。
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「こんな卑猥な物、誰が許すの!?」(米国マサチューセッツ州、サム)
「信じられない女として。卑猥すぎるわ、卑猥!」(匿名。マリアーナ)
「アハハ。いい物見せて貰ってるよ。何もかも丸見えだ!」(ドイツ。マンコフスキー)
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万九郎は、戦慄していた。
普段、とても行儀のいい、高学歴で、家柄も申し分ない看護婦さんたちが!
「何だってんだ?」
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万九郎は、女達の一人に近付いていた。
そして、人差し指で、全裸の素肌を触っていた。
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患者室の一室で、既に万九郎は、一人の女と行為していた。
万九郎の心の中は、モヤがかかっているように、ボンヤリしていた。
やがて、次々と女を変え、万九郎が佐世保の総合病院の精神科の看護婦、科学者、開発者、技術者たち、総計2,000人と行為をし終えるまでに、3時間を要さなかった。
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万九郎は、佐世保の総合病院の精神科病棟の、最上階にいた。
「何か、あるな」
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それは、華美に装飾された、1つの箱だった。
「まるで、宝箱だな」
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箱を手にとって。開けてみる。
「?」
何と、箱の中は空洞、何もなかったのである。
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佐世保の総合病院の精神科は、今日も賑わっている。
「おはよう、ミナコ」
「おはよう」
何事もなかったように振る舞っている彼女たちだが、事実は変わらない。
世界中に全裸を晒した彼女たちは、たちまち男たちの下卑た興味の対象になり、ついに御伴まで判明してしまった!
アメリカから、カナダから、ドイツから、フランスから、様々な国の男たちが、彼女たちを見物しようと、世界中から佐世保の総合病院の精神科に、結集していることを。
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