第35話 道のり

 市場を出発して、僕らは丘陵地帯を歩く。

 見渡す限り砂丘が続いており、日中は直射日光に焼かれ、夜は身を寄せ合わねば凍えてしまいそうなくらい寒い。この数日間、生き物を見かけない。手持ちの食糧も底を尽きそうだ。

「み、みずです~。あっちに水がありますよ~」

 オアシスがあると信じて進み、蜃気楼で徒労に終わったことも幾度。

 ただ、皆で見上げる夜空は、この上なく美しかった。ドゥークは星の読み方(季節や方角、天気まで!)を教えてくれたし、イチハは星座の物語を聞かせてくれた。それを聞きながら、いつの間にか僕もミミもすやすやぐっすり眠ってしまうのだった。

 行程自体は大変だったけど、覚悟していたような危険に遭遇しなかったのは、ミミのモンスター避けのリボンのお蔭かもしれない。

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