第15話『ブランド誕生』

 トゥーラの考えに、みんな一斉に反応する。

「花嫁が青いものを身につけると、幸せになれるって言い伝えになぞらえるんですね!」

「ロマンチック――!」

「虹球界でもう一度、結婚式を挙げてもらえたらいいよね」

 パティが言うと、メグも続いた。

「いっそウェディングドレスも作っちゃう?」

「それいい! 絶対作りましょう」

 ミルラが目を潤ませて言う。

「みんなすごいなぁ。私そういうの全然知らない」

 オリーブが感心すると、トゥーラが優しく言った。

「みんなを見習って、お勉強しなくちゃね」

「う、うん」

「まぁ、やっぱり若い人たちは華やかでいいわねぇ。では何の花を刺繍しますか?」

 フミナが言うと、みんな目の色を変えた。

「青い花っていうと……アジサイとかワスレナグサ、ブルースター、クレマチス、朝顔、パンジー、デルフィニウム、ニゲラ、ネモフィラ、ブルーデージー、ボリジ、矢車菊、リンドウ、ブルーポピー、レースフラワー、ローズマリー……ってとこかな」

 博識なパティにメグが言う。

「詳しいね」

「国営のブルーガーデンにある花をそのまま挙げてみた」

「なるほど」

「野草はどうかな? 春先だとオオイヌノフグリとか、夏にはツユクサがあるでしょ」

「どっちもかわいい花だね」

「幸せっていえば春でしょ」

「じゃあオオイヌノフグリにする?」

 二人の会話でオリーブが閃いた。

「待って、前に小説で読んだことあるよ。オオイヌノフグリをブルーブリーズって改名して『ブルーブリーズ徽章』って小説書いた人がいたよ。内容はうろ覚えだけど、ラブストーリーだった」

「ピッタリじゃないですか、それ!」

 ミルラが目を丸くする。

「ブルーブリーズ、青いそよかぜ。あのかわいい花にぴったりの愛らしい名前!」

 クリオが手を打って喜ぶ。

「決まりね。では、私たちが作る服はブルーブリーズブランドと名付けましょう。やっぱりここに来てよかったわ。私たちの古臭い考えじゃ華がないものね。ご協力ありがとう」

「私たちも嬉しいです。何か他にもありましたら、ご遠慮なく仰ってください」

 フミナは大喜びでその場を辞した。
















 

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