第10話『ポールの諸事情』
「いや、それでも神懸かりになるくらい透徹した思考になれるんですから、すごい才能ですよ」
ランスは身震いして言った。
「そうですね。しかし、突然予知夢見て、神懸かりになって……無茶苦茶な心身負担だからなぁ。ピーピーで済んでもっけの幸いというかなんというか」
マルクが渋面を作る。
「浄化作用なのかしらね。これで、前に草案出した『子どもたちのための世界の大変革教育文』も、ちょっとの手入れで採用されたって知ったらどうなるかな?」
オリーブが言うと、みんな少し驚いた。
「へぇ、そうなんだ」
アロンが感心すると、タイラーが首を振った。
「それはあいつにゃしばらく伏せておくのが無難だな。言ってはいなかったがあの目。明らかに睡眠不足だろ」
「これがNWSの総意だったら、隠れようもあるんですけどね」
ルイスが言うと、キーツがしかめっ面で言った。
「隠れなく知られたからねぇ。これも言ってないと思うけど、内々にテレパスで助言を求められたりするんだってさ。確かに今回は上手くいったよ? でも、ポールが関わったからって成功率が上がるとは限らないじゃん。代わってやれないし、そこが気の毒でさ」
「そうなのか? それはまた別の問題だろ」
マルクが言うので、キーツも頼りなげに言った。
「それが、ポールはみんなにも知られたくなかったみたいで……」
「なんで?」
オリーブが聞くと、キーツは言った。
「みんな、不自由な思いするの嫌だろうから、って言うんだけど」
「そこまで気の回るところが、ポールさんらしいですね」
ランスは感心したが、あまり慰めにはならないようだ。
「普段からお気楽に振舞ってる分、俺たちにも助けてって言えないんだろうな」
ナタルはポールをいじましく思った。
「たぶんなんだけど――トゥーラが相談に乗ってるかもよ」
オリーブが思いついて言うと、タイラーが言った。
「よし、トゥーラに期待しよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます