第2話 全ての悪人は茨の道を歩いていく
「我に、全世界を収める力をください!ネピアに辿り着く方法をお教えください!」
シリウスの王は万魔殿にて宇宙の王になるための知恵を求めた。
「そうか。なら教えてやる。お前には不可能だな」
「どうしてなのですか?サハクウィヌスよ」
「科学、魔法、哲学、宗教。そういったものに頼っているうちは不可能だ。ましてや他の者に頼るなど言語道断だ」
シリウスは万魔サハクウィヌスの言うことに臆せずに反論する。
「では己一人でやればいいのですね?」
「ああ。だが、一生かかってもできないだろう」
「一生……」
「まぁ、そうだな。アドバイスをするなら、一度武力で宇宙を治めたらわかるかもしれん」
シリウス王は万魔の助言通り武力で世界を、宇宙を治めた。だが、悲しいかな、シリウス王は他でもない我が息子に殺されてしまう。
「オイディプス・コンプレックスと、ある文明では呼ばれていたか」
世の中は善意だけで構築されていない。必ず悪も存在する。だが、もし、真に世界の王になる者がいるとするのなら、善悪はないと悟っているのだろう。全ての善人も、全ての悪人も、茨の道を歩き、薔薇のように散る。
「私が求める智慧者はいつ現れるのやら」
万魔は再び万魔殿に還る。その時が来るのを待ち望んで。
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