2022.9.5(mon)コツコツ、バイキング
授業中、ふと窓の外を見ると、昨日からの雨は止む気配もなく降り続いていた。クーラーのついている教室の中だと雨音は聞こえない。コツコツと黒板に年表を書くチョークの音が響いている。
世界史の授業中はどうしても眠くなる。
数学や物理なんかは授業を聞いていないと、後で勉強しようと思ってもチンプンカンプンになる。が、世界史は暗記だ。授業中に頭に叩き込む気のない菜都奈は、雨を眺めながら、うとうとと船を漕いだ。
大海原にコツコツと雨が降り注ぐ。悪天の中バイキングたちは果敢にも甲板で声を張り上げ、陸地に見える人々は走って逃げていった。バイキングたちは甲板に座り込んで焼きそばパンを食べ……。
ん、と目を開けると、隣の席の飯塚が早弁をしていた。
十二時十分。あと少しで四限が終わるのに、腹の虫は待ってくれないのだろう。飯塚は野球部で鍛え上げた大きな体を縮こめて焼きそばパンを食べていた。
教師の三角は気付く様子もなく、黙々と黒板に年表を書き続けている。
雨音は聞こえない。
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