2022.9.3(sat)眠ってクッキー



どこかに行きたいけれど、どこに行けばいいか分からない。

ショッピングモールに行っても買うものはないし、公園に行ってもぼんやりするだけで、カフェに行くのも気分じゃない。


そうこう考えているうちに菜都奈はいつの間にか眠ってしまっていて、起きたら夕方だった。のそりと体を起こす。眠りすぎて体が重たい。

「あ〜〜」

喉がひりついている。菜都奈はすっかり温くなった麦茶を飲んで、どうしようか考えた。考えているだけで一日が終わりそうだ。


時計は十六時を回っている。菜都奈は外出するのを諦めた。しかしこのまま一日を終えるつもりはない。

菜都奈は冷蔵庫の中を覗きに行った。

バター、砂糖、卵、薄力粉。

「よし、ある」

菜都奈はほんの少しだけクッキーを作ろうとキッチンに立った。クッキーは簡単だ。混ぜて焼くだけ。しかも少量なら、小さい頃に遊んだおままごとを思い出す。食べられるおままごとだ。


菜都奈は鼻歌を歌いながら材料を混ぜた。ほんの数分で終わった。生地を冷蔵庫に寝かせると、明るいうちに風呂に入ってしまおうと支度をした。夕飯の後に焼きたてクッキーを食べる計算だ。もちろんその時には明日こそどこに出かけるかを考えるのだ。

菜都奈はスキップをして自室に戻る。あれほど重たかった体も、動き出してしまえば軽いものだった。

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