90-「生徒会室訪問」からの「人助け」③
生徒会の2人は、僕の記憶を消そうというつもりは恐らく今はないのだろう。
そう思えるだけでも、多少は他のことに集中力を使える。
頭のリソースが他のことに割けるってのはいいことだ。
僕はあの後、2人と話して会長の捜索について話した。
(水沢上くんのことについては聞きそびれた)
会長は金曜の夜には家に帰っており、その後土日は泊まりになる、と言って家から出ていたのだという。
日曜の夜にも連絡がなく、帰ってこないことから、親御さんは警察に連絡を入れたらしいが、今のところ何も音沙汰がないと。
実はそういう状況らしい。
もう警察に連絡しているのなら僕の出番はないのでは?
と言ったら
「君が不思議な現象について調査しているのは知ってる」
「警察では解決できないことを君なら解決できるかもしれない」
とのことで。
日本の警察を舐めてはいけないと思うのだけど。
日本の警察は僕たちがドラマとかマンガとかで見るよりずっと優秀なはず。それこそ、僕のおじいちゃんのお知り合いとかいるからね。
でも、会長が本当に不思議現象に巻き込まれているのなら、確かに普通の警察では難しいかもしれない。
本当に僕の調査能力を買ってくれているようだった。
それに会長がいなくなったことには、そういう不可解なものが関係していると思っているようだった。
「岩石動が普通の事件に巻き込まれるなんてことはありえない……」
これは副会長からの言葉。ぽそりと呟いていた。
それは小さい呟きだったけれど、確信にもとれる強い思いだった。
何でそこまで強い確信を持っているのか?
考えられることはいくつもあるけど、大前提として会長も何らかの能力者なんだろうと思う。
夢見坂ちゃんも副会長も2人とも、僕に対して自分は能力者であるという明言は避けていた。
僕が不思議な現象について調べているということを知っている時点で、割りと能力者であるのをカミングアウトしているようなものだとしても。
あるいは能力者である、とは行かなくとも能力に準ずる何かに関わりがある存在だと。
だけど、実際に能力者であったとしても、それを明言するのはまだ時期尚早という判断だろう。
能力者だと言ったら僕たちは敵対することになる。少なくとも気まずい思いはするに違いない。
僕も無駄に争いを産みたくないし、そのままでいいと思っている。時期が来たらしっかり対応してもらおう。
さて。
何をやらなきゃいけないかをはっきりさせよう。
能力者案件だったら、学校外の出来事だから、木々村くんの助けを要請してもいいと思う。
彼の能力を嗅ぎつける能力を使うことによって調査は格段に楽になるだろう。
能力者ではない案件だとしたら……。
まぁ、こうやって不思議が関わる場合、ほぼ確実に僕の方で処理しないといけない事になるわけだけど。
最悪、僕のおじいちゃんに掛け合う必要があるかも。
僕は早速木々村くんに連絡した。
「進展あったよ。直接話そう。いつものところで」
もう7月に入っている。外は相当暑いからね。
冷房が効いたところで話したいよね。
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