84-昼食後
昼食を食べた後、また勉強に戻った。
先に動詞?の活用を覚えているのかどうかを確認して、その後形容詞の活用の説明に入った。
助動詞はまだだった。
古今泉からは
「今日中に全部できるとは思ってなかったよ。また次回かなー」
ということだった。
まだ助動詞と本文の勉強がある。
うへー、と俺はなってしまったが、師匠のトレーニングよりは断然気が楽だなと思っていた。
師匠とのトレーニングは、圧力がある。
失敗を恐れる。過度な緊張感。適切な緊張感を持つことが必要だとはわかっている。わかっているが、師匠の圧力は明らかに適切な程度ではなかった。
古今泉との勉強に関しては失敗しても、次に挽回すればいい、という。圧力は感じない。
こんなんで本当にできるようになるのか?という心配はあった。
もっと厳しく、プレッシャーをかけるべきなのでは?
古今泉に無理なら、自分で圧力をかける必要があるのでは?
ではどうやって?
そんなことを考えながら、俺は1階にあるトイレで用を済ませていた。
トイレから出ると、古今泉百々華と目が合った。
そう言えば古今泉百々華も昼食を食べたのだろうか?
もう15時過ぎだった。
「どうも。トイレ、お借りしました」
「うん。お疲れ。どう?勉強捗ってる?」
「はい。おかげさまで」
古今泉の説明は、先ほども言ったように圧力はないが、丁寧だった。
俺がわからないところから教えてくれたので、俺にはありがたかった。そのお陰か、進み具合はあまり良くないようだが。
「そ。じゃあ頑張って」
と、古今泉百々華は先に上に上がるところだった。
「あの」
階段を登ろうとしていた古今泉百々華を俺は呼び止めた。
思っていたより早く機会が訪れたが、先程の話を聞いておこうと思った。
「何?」
古今泉百々華はこちらを振り向き応えた。
圧力の話で言えば、古今泉百々華も圧力を感じる。
もちろん師匠ほどではないが。
俺に対しては有無を言わせないようにしているかのような。そういう。やはり、俺には裏の面で対応しているのかもしれない。
「大した話ではないですが」
「うん」
だから、何?と俺に次を促していた。
しかし、何と聞けばよいのか?
「今まで呼び捨てで呼んでましたが、これからもまた呼び捨てのままでいいですか?」とかか?
そんなバカな……。
どういう確認だそれは。
なんと聞けばいいのか、自分の中で決まらず、もごもごしてしまった。
「何も用ないなら、先行くよ」
「今まで呼び方を……」
「ああ、そのこと。百々華でいいよ。今まで通り。私が許可したんだから」
そう言って、さっさと上に上がっていった。
俺は置いてけぼりになった。
俺が聞きたいことが呼び方のことじゃなかったらどうするつもりだったんだ?
古今泉百々華が自分の部屋に入った後、俺も階段を上がり始めた。
「おかえり」
トイレから戻り、古今泉の扉を開けるとそう言って出迎えてくれた。
「今、百々華とすれ違ったよ」
「ああ、うん。そうみたいだね」
「ん?」
「ああ、音で」
「なるほど」
「で、聞いたのかな?」
「ああ」
「今まで通りでいいって?」
「ああ」
よくわかるな
「そんなこったろーと思ったよ」
俺は座りながら答える。
「俺は忘れていたが、百々華から百々華って呼んでと許可をもらっていたんだった」
「え、そうなの?」
「ああ。さっきまで忘れていたけどな」
「ふーん。そうなんだ」
古今泉はそう言うと、さっと表情を切り替え
「じゃあ続きやろうか」
と言って仕切り直した。
あまり同じ教科をずっとやるのも疲れるということで、形容詞、形容動詞までやった後は、違う教科も含めてやることになった。
夕方くらいまで勉強していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます