76-(4)泊まりか…
師匠に組織内の裏切り者について尋ねたところ、可能性は低いはずだと言われた。
いないに越したことはない。
だが、もし組織内に裏切り者がいたとしても、師匠がこちらに来るまで何もできない。俺では相手にならないだろうから。
だから、組織内のごたごたがあるにせよないにせよ、俺はこのことに対しては師匠を待つしかできない。
そういう結論に至っている。
そして凪元の家に泊まることも、水沢上についても伝えた。
凪元の家に泊まることに関しては、
「お前もついにお泊まりするようになったか。相手の家に失礼のないように」
とのことで、特に何もなかった。
俺に泊まるくらいの関係の者ができたことに少しばかり喜んでいたかもしれないけど。
水沢上に関しては、「気をつけろ」ということだった。
本当だったら眠らせるなどして縛り上げてから、強制的に能力を発動させて黙らせるのが1番楽だろうが、今回は眠らせる能力者はいない。
来月に師匠がこちらに来る以外は誰もこちらに来れないようだから、俺たちでやるしかない。
今まで訓練してきたものを上手く発揮しろということだ。
今回は囮を凪元にやらせることになる。凪元と俺の連携が問われることになるだろう。
しかし凪元との連携か。
「なに?僕の力量が不安?」
凪元が俺の表情を見てか、そういうことを言ってきた。
「いや、お前の力量が不安というよりも、どうやって水沢上の攻撃をかいくぐって俺が近寄るか、ということに関してだ。
お前も分かってはいるだろうが、水沢上の力はかなり大きいはずだ。今の俺が想定しているよりも遥かに能力の使用に長けているかもしれない。
いくつか作戦を想定していないといけないだろう」
「そうだね。そのためには、僕の動きを多少は知っておいてもらわないといけないかもね。付け焼き刃にはなるけど、今から作戦会議を兼ねて組手でもしようか」
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