山頂
箱根の旅館を後にした私は、次の目的地を御殿場に定めた。御殿場は、富士山の登山口の一つである富士宮口へのアクセスが良い場所だ。
「冬になる前に、富士山に登りたい」
そう思った。子供の頃から憧れていた富士山。今の私なら、きっと登れる。
御殿場に着くと、まず、富士登山に必要なものを揃えることにした。登山靴、防寒着、雨具、食料、水…。必要なものをリストアップし、一つずつ購入していく。
次に、連絡手段を確保した。携帯電話は持っていなかったので、格安SIMカードを購入し、中古のスマートフォンを手に入れた。
「これで、何かあっても連絡できる」
最後に、軍資金を確保した。旅館で働いたお金と、少しだけ残っていた貯金を合わせると、10万円ほどになった。
「これで、しばらくは大丈夫だろう」
準備を終えた私は、富士山の登山口へと向かった。
登山口に着くと、多くの登山客で賑わっていた。私も、登山届を提出し、準備運動を済ませ、いよいよ登山を開始した。
最初は、緩やかな登り坂が続いた。しかし、標高が上がるにつれて、だんだんと傾斜がきつくなっていく。
「思ったより、きついな…」
息が上がり、足も重くなってきた。しかし、周りの登山客に励まされ、なんとか歩き続けることができた。
途中、何度か休憩を挟みながら、少しずつ標高を上げていく。そして、ついに、山頂に到着した。
「やった…!」
山頂からは、360度のパノラマが広がっていた。眼下には、雲海が広がり、遠くには、南アルプスの山々が見えた。
「本当に、来てよかった…」
私は、達成感と感動で胸がいっぱいになった。
山頂でしばらく景色を眺めた後、下山を開始した。下山は、登りよりも楽だったが、足への負担は大きかった。
日が暮れる前に、無事に登山口に到着した。
「疲れた…」
私は、近くの温泉に入り、疲れを癒した。
温泉から出ると、空には満天の星空が広がっていた。
「綺麗だな…」
私は、星空を見上げながら、今日の出来事を振り返った。
富士登山、山頂からの景色、達成感。
「色々なことがあったな…」
でも、不思議と、嫌なことは何も思い出さなかった。
「明日も、また何か新しい発見があるかもしれない」
そう思いながら、私は眠りについた。
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