初めてのヒッチハイク


富士山の雄大な景色を胸に、私は次の目的地、静岡市へと向かった。目的は、子供の頃にテレビで見たヒッチハイクの旅を体験すること。

「いつか自分もやってみたい」

そう思っていた夢を、今こそ叶える時が来たのだ。

御殿場から静岡市までは、3日間かけて歩いた。途中、道の駅で休憩したり、地元の人と話したりしながら、ゆっくりと旅を楽しんだ。

そしてついに、静岡市の入り口に到着した。

「さて、どこでヒッチハイクをしようか」

私は、交通量の多い国道沿いに立ち、スケッチブックに「静岡市内までお願いします!」と大きく書いた。

しかし、なかなか車は止まってくれない。

1時間、2時間と時間が過ぎていく。

「もしかして、ヒッチハイクって難しいのかな…」

不安が頭をよぎり始めた時、一台の軽トラックが私の目の前に止まった。

「どこまで行くの?」

運転席から、優しそうな笑顔の男性が声をかけてきた。

「静岡市内までお願いしたいのですが…」

「いいよ、乗っていきな」

男性の言葉に、私は飛び上がるほど喜んだ。

軽トラックの荷台に乗り込み、男性と話しながら、静岡市内へと向かった。

男性は、地元の農家をしている人で、これから市場に野菜を運びに行くところだという。

「ヒッチハイクなんて、若いねえ」

男性は、私の旅の話に興味津々で、いろいろな質問をしてきた。

私も、男性の農業の話や、静岡の美味しい食べ物の話を聞き、楽しい時間を過ごした。

そしてついに、静岡市内に到着した。

「ここで降ろしてもらうよ。今日は本当にありがとう!」

私は、男性に深くお礼を言い、軽トラックを降りた。

「頑張ってね!」

男性の温かい言葉に、私は再び旅への活力を得た。

初めてのヒッチハイクは、不安と緊張でいっぱいだったけれど、人の優しさに触れることができ、とても貴重な経験になった。

「次は、どこへ行こうかな」

私は、地図を広げ、次の目的地を考え始めた。

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