コーヒー
大層な偏見だが、絵描き、字書きなど机に向かって何かを産みだす人種にとって、コーヒーは必需品だろう。学生時代はエナジードリンクだった。だが働き始めて身体は資本だという認識が強まってからは、どうもエナドリ片手にゲッティングブーステッドという状態になれない。コーヒーなのである。紅茶やコーラを口に含むのでは得られない何かをコーヒーは持っている。ともすると悪魔の所産である。
ところで、私は必ずホットで頂くという拘りを持っている。そして豆から挽く時は決まって二杯分淹れる。作業に集中するあまり、しばしば一杯分をマグに注いで残りを忘れてしまう。マグで一口飲んで残りが視界の端で忘れられているのも珍しくない。マグやサーバーの中で人肌の温もりを保ったままぽつねんと凪いでいる哀しき友人をふと見てどうも申し訳なくなってしまう。かかる一意専心の弊害でそれ以前に意図していた物事を忘れてしまう現象を、「コーヒー哀愁現象」とでも名づけようか。
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