盂蘭盆会

 単にお盆という呼称の方が一般的である。一般にこの年中行事では死者=祖先が冥界より戻る日であり、我々は彼等を饗応し再度冥界へと戻る彼等を見送る、という概念が共通している。また、その年のお盆までに死去した人の魂を冥土へと送るという意味も持つ。後者は地域によって在り方が様々であるらしい。殊に筆者の地元長崎県は特殊だとされる。長崎市の精霊流しはとりわけ強烈であり、豪華絢爛に装飾を施した巨大な精霊船を、爆竹が喧しく鳴り響く大通りを引き摺っていくのである。その様はしばしばテレビで取り上げられるが、見るたびにとんでもねー習慣だと地元の人間ですら思う。何せ、精霊流しのためにその日は午後から交通規制がかかる程なのだ。

 因みに私の実家がある地域では、その規模ではないにせよ住民がある橋に集まって花火をやる。今では随分高齢化し過疎化した地域だが、昔は吹き出し花火やら爆竹やらで賑やかだった。美化されたこの映像も、他県の友人にとっては異文化交流にすぎないのだが。

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