第12話 恋文-詠月(九月)
長い
長いこの夜
君とたわいも無い
会話をしよう。
永く
永くつゞく命は
あまりに退屈なんだよ。
君が
後ろから僕を抱きしめる
とても心地が良い
ランタンの火が
ユラユラとこの部屋を暖める
君が僕を
見つめてくれる。
笑ってくれる。
抱きしめてくれる。
愛おしい口付けを
何度も
何度でもしてくれる。
だから
君が、この世界からいなくなることを
考えられない。
神はどこにいるのか。
悲しみという言葉では無い。
蜘蛛の糸を何度も
何度も永遠に切られる
苦痛なんだ
怒りと吐き気の中
ランタンの火に君が浮かぶ
僕を正気に戻してくれ
この生きづらい世界に
東も西もなく、北も南もない
燃える
燃えるんだ
僕の心は燃える
この黒い空を誰も照らそうとはしない
誰も照らさないのなら
僕が照らそう
僕の心を
そして身体を燃やし
君を連れて帰ろう。
さぁ
一緒に帰ろう
そしてまた
たわいもない会話をしよう
今日の夜は
きっと明けない夜になるから
君が
もっと欲しいんだ
來宮 理恵
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