天狗。仏敵として日本に導入されたその概念は、紆余曲折を経、山の荒ぶる神と融合し、神通力と知恵をほこる傲岸たる精霊となりました。けれども、傲るということは、その力と知恵にも限りがあることの裏返し。赤く輝くあのいかめしい顔の裏には、その綻びから流れ落ちる涙があるのかもしれません。そんな天狗の思いをありありと感じられる短編です。
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